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2014年5月30日 (金)

2014年の027「ミスターGO!」

 中国のサーカスにいたゴリラが韓国球界に登場、活躍と波乱のストーリーだ。それだけでそのワンアイデアだけで2時間の映画にし、傑作に仕立てたのは本当に素晴らしい。
 正直、主人公二人の原動力全ては承服出来ないし、理解出来ないんだけど、上手く誘われて、ハラハラしたり、最後にホッとしたり、自分は揺さぶられていた。
 韓国映画やドラマはほとんど観ない。時たま観たものも良かったり悪かったりだ。特にドラマは割とメロドラマだったり30年くらい前の日本のテレビドラマを見るようで、年配女性に韓流ドラマがあるのはこの辺が原因だろうと思ったくらいで、あまり良い印象は無い。

 ただ、映画は国策もあってか安くない。国外マーケットを意識した物も多数あって、SFXに関しては負けてるな悔しいなと思うことが多々あった。

 そもそも今作を観に行ったのもゴリラのモーションキャプチャでの再現の見事さの確認のためだ。これに関しては、非常に見事すぎて、ケチの付けようが無い。おそらくロープつかんで降りるところはさすがに全てアニメーションだと思うが、他のシーンはモーションキャプチャとアニメーションの混成体だろう。嘘くささが少ないのが見事だ。

 それから、出てくる人が皆悪人というか小ずるい一癖も二癖もある人ばかりで、それ自体が面白い。主人公の一人、猛獣使いの少女、サーカス団長ウェイウェイが魅力的だ。最後に心の内を吐露するときに、今までの小さな伏線がつながって構図が逆転する仕掛けが面白い。この少女の演技力も相当の物だと思う。

 そういった個性的なキャラクター陣を動かして、使うことで韓国球界の問題点、それから中国と韓国の関係性をサッと流し込んでいて見事なシナリオの仕掛けになっている。

 日本からはオダギリ・ジョーが出ているのだが、彼が選んだ話だけあるなぁと思った。

 それからメインの舞台も制作も韓国だと思うが、ストーリー上にちょっと中国を絡めて、野球に詳しくない中国人にもアピールしているところが小憎らしい。

 冒頭少し、設定説明的な流れが長いが、そこを過ぎるとかなり無理のある状況やロケのほとんど無い映像もさして気にならず、そういった部分も上手いなぁと思った。

 単純な色物でも決してギャグでも無い、見事な映画だった。

P.S. 映画を観ると解るのだが、ゴリラを選択したが故に起こるストーリーになっていて、その辺が上手い。もしかしたら本当に水島新司の漫画がヒントかも知れないが、映像面からもストーリー面からも今、日本にここまでの作品に仕立てることは出来ないだろうと思う。それが猛烈に悔しい。

「ミスターGO!」公式サイト
URI= http://go.gaga.ne.jp/

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