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2014年8月24日 (日)

2014年の053「喰女-クイメ-」

 四谷怪談を現代に置き換えて、現代の演劇とメタ構造で表現する。このアイデアは多分今作が初では無いと思う。

 四谷怪談だけでなく古典怪談は舞台や映像はもとより漫画や小説にまで散々引用され、ベースにされてきているはずだから、ちょっとやそっとで新鮮味もないはずだ。実はこの作品にもそういう印象を持っていた。

 しかし見てみるとその印象はちょっと変わる。


 特に現実の恋愛と舞台劇の中の行き来が最初は割とはっきりしているのに後半に行くにつれ判然としなくなってくる。美雪と浩介が重要なのはもちろんだが、ときに代役まで務める付き人の加代子が実はこの行き来でミスディレクション的なのだけど重要な役目を果たしていて、何度も映画内現実と舞台(稽古)を行き来している内にこちらまで、どっちが主軸だったかがよく判らなくなってくるところは、本当に見事な演出だ。

 それから、ロケが少なく、セット内の撮影が多いのだけど、稽古が進むにつれて組み上がる舞台装置と使われ方が良い。組み上がっていく過程で捌ける先や見ている人たちの表情や立ち居振る舞いも異様になっていくとか面白すぎる。

 この舞台装置がホントに飾りでなく劇中の心理を表すのに機能していて、しかも本来の「四谷怪談」の演出に重ねてあったり、この辺のアイデアが素晴らしい。

 その半ば朦朧とされた時に最後の件が絡んでくるから、効いているのだと思う。

 三池監督は多作な監督で今年も少なくとも3作は公開される。自分は「妖怪大戦争」(2005・・・もう10年も前の作品なんだな)からのファンだけど、常にこういった新しい切り口を見せてくれる監督で楽しい。

 もう一度見ると人物の動きがまた違って見えて面白そうだ。

 原作と唱われていた小説は購入した、が見ると今年の7月に書き下ろしで脚本家が書いた物で、どちらかというとノベライズだった。

「喰女-クイメ-」公式サイト
URI= http://www.kuime.jp/

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