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2004.09.20

ホワイトファング

 「はじめの一歩」のロシアンボクサーの異名がそんな名だったか、外国映画にもあったような気がするが、記事は70年代の藤岡弘主演のテレビドラマ「白い牙」のことだ。(田宮次郎の「白い」シリーズとの関連はどうだろう。)藤岡弘は同世代の男性にとっては言うまでもなく「仮面ライダー 本郷猛」だ。良くも悪くも常にダブってみられてしまうためかなり損をしたのではないかと思うが、今は本人も良い具合に吹っ切れて、テレビでもよく見かける。「白い牙」は「仮面ライダー」の後に主演したドラマだが、仮面ライダーとはほど遠いダークっちゅうか汚れた主役だ。「仮面ライダー」、映画「日本沈没」主役直後で、将来を嘱望されていた時期の藤岡弘が、そう表街道っぽい感じのしない、この作品に出た理由がよく分からないが、良くも悪くも「男臭さ」全開のドラマだ。

 ただ、今、見ると辛い。辛いと言うより、時代背景もろとも楽しむ気概がないとしんどいだろう。

 「ドヤ」とか「ポン中」といった今では言い換えられる言葉とかが続出だし、そもそも主人公があそこまで罵倒されているのがなぜだか分からない。など、ドラマのすべての点で時代を感じてしまう通(?)好みのドラマになっている。

 個人的には仮面ライダーの技斗を担当していた、大野剣友会の面々や悪役商会(八名信夫がちょい役で)の面々が出ているのが懐かしさを醸しだしている。出演者も主人公、有光洋介の元上司に佐藤慶、有光をサポートするボクサーくずれに藤巻潤、その妻に島かおり、スナックのマスターにジェリー藤尾、ゴシップ雑誌記者(トップ屋ってやつですな)に川津祐介と意外に豪華だ。(ヒロインの鳥居恵子は藤岡弘の元妻)だが、だんだん出演スケジュールが合わないのか、一緒に出ることが少なくなっているのが、何となく人気の伸び悩みを感じさせる。

 放映当時はキー局ではちょうど必殺シリーズの「助け人走る」の裏番組だったようだが、「助け人」も決して人気があったようには思えないのだが、どうだろう?

 ただ、分かってる人には一見の価値あり。全26話は長く私もまだ8話くらいしか見ていない。(知り合いがDVDを所有しているので少しづつ見せてもらってる。)先の話は知らないのだが、スナイパー役の山本昌平がオープニングに出ている所為かずっと出演者にテロップされていたり、当時の制作体制を何となく感じた。

 どうしてだか分からないが世間にツバされる有光洋介の明日はどっちだ。

 藤岡さん主演で「仮面ライダーSpirits」第1話だけで良いから映像化して欲しいと思う私でした。

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