「PLUTO」 001&002インプレッション
私の場合、浦沢直樹作品の購入はこの「PLUTO」が初めてという訳だが、一言で言えば、「ロボットでモンスター」である。
しかも面白い。最近マンガ単行本の購入が減っている私だが、買うだけの価値がある(豪華本は勘弁だが)。
あの短い話を今までもアニメでは何度かリメイクやって来たわけだが、本当に中身を表していたかは疑わしい。特に一昨年のアニメ版ではきれい事だった(だからこそ二段落ちに成っていたわけだが)。リメイク中では見た目もストーリーも最大の改変だ。しかしもこの改変は私は(オリジナルにそれほどこだわっていないが)受け入れられないんじゃないかと思っていた。ところが、読んでみると著名なキャラクターもほとんど浦沢キャラ化されてるし、子供向けの味付けはお遊びの方向で残っているもののサスペンスの味付けが強く、全然違うし大筋の結末や話の構造を知っているにも関わらず、全然飽きない、どころかぐいぐい引き込まれる。
本作の主人公をゲジヒトにしたところも巧妙だ。
しかし、本作のメインテーマは「アトム」から変わることはない。
改変で面白いなぁと思うのは、いかにもロボットロボットしていたキャラを普段は人間の姿にしたり、そこにサイドストーリーを作り込むところだが、今後アトムが戦うときにどういう姿にさせるんだろうとか(空を飛んだりといった描写をするのか否か)、竜巻でないプルートゥの姿はどんなんだろうとか。そういうところでも引きつける物があると言うところだ。
手塚治虫は「ブラックジャック」もリメイクなどを秋田書店が進めているが、アニメに合わせて始まったリメイク版はどうもなじめない(容貌が変わるのは良いが主題が変わったり、性格が変わったりするのはどうにかならないか)し、青池保子や著名作家がその絵柄で書いてみるのをいっぱいそろえるというのは祭的には面白いが、「ブラックジャック」の掘り起こしには何にも成らないだろうと思わせてくれるところが秋田書店らしい。
002の巻末に手塚眞の後書きがついているのだが、この「ブラックジャック」のことを思うと「?」で頭が埋まってしまいそうだ。
浦沢直樹は終わりが弱い傾向が強いので、是非完結までクオリティ(作画、内容とも)を落とさないで頑張って欲しい。
1巻はアトムで引き、2巻はウランで引くのか。狙ってのことだろうけど、3巻は引きにくいなこの構成だと。
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