「妖怪大戦争」インプレッション
面白かった。今期一番面白かったかもしれない。とはいえ万人向けではないかもしれないが・・・「分かっている」ことの共有の心地良さ。カメオ出演を許せる役者のはまり具合、妖怪セレクションも良いがそれぞれにはめた妖怪役者の「感じ」がすばらしい。こういう「祭」は夏休み映画としてふさわしいんじゃないだろうか。
とはいえ映画としての「出来」が良かったかと言えばそれは別だ。真っ当に映画の方法論で論じれば、伏線を無視したり(要するに投げっぱなし)、イラねぇーじゃねぇか、ショボイじゃネェかと言うシーンも多いのだが、クライマックスへの盛り上がり、テーマの説得力これらは役者のはまり具合がピタリと来た時にしか出ないものだ。そういう意味ではキャスティングの勝利かもしれない。既報の役者でははずれだと思った役者は居ないなぁ。ヒロインの川姫も色っぽくも可愛いし(笑)
ちなみに以前の「妖怪大戦争」はあまり好きではない。「妖怪百物語」は好きだが、どうもダイモンに対抗して妖怪が結集していく様が納得出来なかったのだ。今回はそれが否定されている。改善されいるのではなく明示的に否定されていて、それがテーマとも結びついてるという巧妙さだ。それがどうして「妖怪大戦争」になってしまうのか。この下りは重要。変な言い方だが「妖怪かくあるべき」的な感じがして非常に楽しかった。妖怪が妖怪であるためのアイデンティティ、そういうものちゃんと表現してあるのは、「怪」チームの面目躍如だろう。
今回ネタバレが少ないのは見て欲しいからだ(笑)来年もこういう祭映画があると嬉しいなぁと願うのである程度興行収入上げて欲しいし。
個人的なツボを列記しておこう。
・事の始まりは「件」の言葉。
・宮部みゆきも大沢さんも馴染みすぎだよ(笑)
・川姫色っぽ〜い。
・阿部サダヲ脱帽だ。
・じいちゃん最高だ。
・震々まで出てるのかよ。
・雪女雪降ってるよ。(雪無いと只の白い美人だもんな(笑))
・「小豆をとくことしかできない」小豆洗い。
(小豆洗いは初めて「小豆を研ぐ音がする怪異」という意味だけの小豆洗いを映像で見たような)
・秘密の剣が役に立たないの良いねぇ。
・栗山千明は本当に良いねぇ。普通の役出来無さそうだけど(^^;無駄な着替えも良い(笑)
・のりが軽いよ姑獲鳥(笑)
・そんな理由で120万の妖怪が!
・この加藤は嶋田久作ではつとまらないなぁ(笑)
・ああ、サントラ欲しい。
妖怪好き、祭好きにはお勧め。
本当にくだらなくもメッセージは心に染みるよ。あの人が言わなくては意味のない言葉だけどね。8月6日公開なのはその所為かなぁ。
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