ウルトラマンマックス第16話「わたしはだあれ?」
今回もウルトラマンマックスは面白かった。
何が違うというのか。些末な違いを埋めていく作業、たしかに簡単には出来ない差はある。別に監督業で無くともそれはあるのだが、そういうコツ、ノウハウどうやったら伝わるのかなぁ。業界全体で越えていかないと、この分野、ホントに単なるコマーシャルに過ぎなくなっちまうし、年寄りが増える、人口が減っていく中で、頭打ちになるのは見えてるじゃないかとも思うのだが。
さて、本編。
明示的には語られないが3つの隕石(宇宙化猫)は最初からあの形であったのではなくて、落下時に猫と合体してしまったのかな?耳のあるクロまでは良いが後足が一本だけ飛び出ていた意匠はそういうシグナルだろうか。有機生命体の記憶を吸い取るのか有機生命体の記憶を混乱させるような電磁波の吸収を行うのか。ただ、そういうことを解き明かすのは必ずしもというか「ウルトラマン」では求められていない。特にギャグ編だし、想像の範囲でかまわないが尺が足りないかな(笑)
難点は基本的に徹底的に笑うように作られているにもかかわらず、隊員達の行動が通常版と大差なく見えてしまうのは如何に通常版の隊員がへっぽこなのかと思われたところか。
笑いのツボは分かりやすく作られてるし、オタク的にもカレー皿とスプーンが用意されていてニヤリとさせるなど分かっている。
そういう笑いにまみれた中でも、絵作りは出来ている。三池監督は「絵作り」なんだなと思った。説得力のある絵作り。冒頭の失われていく記憶を予感させるシーン。引きのマンションをあの構図で撮るとか、基地内での知れっとした配置、UDF基地の前に立つウルトラマンマックスの対比とか他人がやれそうでやれない構図をさっと描く。そういうのはセンス以外の何ものでもない。
来週からどうなるのか。別な点が心配だ。
自分の趣味では無いが、「デジモン」や「おジャ魔女どれみ」で細田守監督が担当するとその前後で全体的に質が向上すると言うか細田チックになるといったことがあった。これは東映動画で行われる試写を見た所為だと思われるわけだが、そういうことは特撮では起こらないんだろうか?
ガメラの樋口特技監督ショック以来テレビ特撮に限らず映画でも一時的に向上心が強く感じられたのももう懐かしい。
もっとも、先週、今週と三池監督の回は特撮もかなり金が掛かってる。CGも多いし(普段とは違い、バンク的でない動きだし)、先週は怪獣が5形態に変化、今週はプールで特撮だった。確かに毎回出来ないだろうし、仮にいつもの人達がこの予算が与えられても越えることは出来ないだろう。
演技が下手な満島ひかりに話を引っ張らせるなどかなり冒険だったように思うが、上手くまとまったし、彼女自身もこの一作でかなりレベルアップしたのでは?
それから、今2作では、マックスギャラクシーは使われなかった意図的に廃したのか、当初制作に入る頃と順序が入れ替わってしまったのか。それを指摘しておこう。
ただ、前作ネクサスとは違って作風をいじってもかまわないのがマックスの強みだろう。コンプリートパッケージのモノも先を見てみたい気はするが、まず越えていくことだそう思った三池監督2作だった。
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ウルトラマンマックス、第16話は「わたしはだあれ?」
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これは……何と言っていいのか……。
どこまでがマジで、どこまでがネタなのかわからないwww
前回に続いて三池監督作品。脚本も同じくNAKA雅MURA。
「大怪獣、東京に現る」のようなドタバタ感だった。
ウルトラマンマックス 第16話「わたしはだあれ?」
団地妻た....... [続きを読む]
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第16話 わたしはだあれ? 前回と同じ脚本「NAKA雅MURA」さんだったので、名作か・・・と期待した私がバカでした(-_-;) 何だかもうお茶らけDASH全開モードだったなぁ(-_-メ) とある団地... [続きを読む]
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三池&NAKA雅MURAコンビの第2弾。ストーリーの切り口とカット割りと独特の映像美は見事でしたが、一本調子と冗長さが拭い切れず、完成度としては今ひとつに思えました。 [続きを読む]
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