108分の?「響鬼」の私的まとめ
去年の今頃は、もうすぐ始まる「響鬼」にワクワクしていた。オモチャが太鼓と聞いて「太鼓で大丈夫か?」ロケが多そうな題材だったので「予算気を付けろ!」とか言いながらも、情報集めに勤しんで「完全新生」に期待していたのだ。(高寺Pと白倉Pの「完全新生」は意味と言うか、適用範囲が違う。)一之巻は十分にその期待に応えてくれた。
しかし、まぁご存じの通りだ。すでに終わったことだし、番組自体も最後の1シリーズ残すだけになった。変わったときにも、嘆いてばかりでも仕方がないので、私自身のケジメとして印だけ残すとして感想は打ち切った。
今現在は、「今の「響鬼」も楽しめている人は、それでその人は良いではないか」と思う。知らぬが仏という言葉もあるし、色々考えすぎて作品を楽しめなくなるよりは見る側にいるだけなら、かまわないだろう。それから俳優目当てだったりする見方を私は否定しない。細川茂樹をはじめとする男優陣女優陣ともに粒ぞろいだ。作劇手法としては思いっきり訝しげに見て、決して私は「お奨め」したりはしないが、制作者たちのミッションが求めている結末が今の結果であるというなら、そういう姿勢を攻めたりも出来ない。成功しているんだから。
私にとっての「響鬼」は二十九之巻で終わったのだ。抗う術もあったかも知れないが、抗うより大事なことがあったの、でそれにかまけていたのだ。
さて、この一件でいくつかのことが分かった。
テレビドラマは監督よりもむしろシリーズを通して押さえるプロデューサーや脚本の方が重要なポジション。
色々な条件があるが二十九之巻までの「響鬼」のようなものもテレビドラマで作ることが可能。
現状の予算、制作体制及びビジネスモデルでは二十九之巻までの「響鬼」のようなテレビドラマは遺棄される。
二十九之巻までの作風や作家性の大きな源である高寺Pが、仮に同じようなポジションで最後まで残れたとしても、果たして、最初に想定したゴールテープを切ることが出来たかどうかは疑問だ。路線変更を自らの手でやり始めた段階で設定にもかなり無理が出ていたのは見ていて分かる程度だったし、実質は1クール目までが精々だったのだと思う。むしろ打ち切り以外で、その前の作風を保つことなど出来なかったのでは無いだろうか?と思う。また「最終回だけでも復帰させて」ということを言って、たのみコムに投稿していた人がもいたが、それでは本質を欠いた物になるだろう。二十九之巻までの「響鬼」は最終回に到達することは最大の目的ではないのだから、他の条件がもう変わりすぎている状態で、最終回だけ担当しても、むしろ評価の下げ代を広げるだけになると思う。
対人関係でストレスを与え、話を進めていく方法は個人的にも一般的にも余り好ましい作劇方法でないことは分かっているのだが、その方が取っつきやすいのもまた事実。しかもこの脚本家、人物関係が如何に複雑でも、冒頭と予告編で全てを語ってしまうので、配置が分かっていれば分かりやすいことこの上ない。それだけ平板な内容であるとも言えなくもない。1年で使い捨てて行くキャラクターだと割り切っているならば、そういう扱いでも良い。ただそれだけのことだ。
個人的には、今もって解からないのは二十九之巻以前と以後の区別が付かない人がいたことだ。揶揄することが目的で活動している連中でなく、そういう人がいたのにはかなりショックを受けた。あれは何だったのだろう。誰にでも認識できる差だと思うのだが。むしろその方が問題かも知れない。
来年の「仮面ライダーカブト」はもう今日にでも雑誌で発表があるだろうけれども、オモチャ不振の煽りを受けて、番組開始当日はすでにオモチャが店頭に並んだ後に成るという話だ。設定も何も分かっていないが。鯨の尾を頭に貼り付けたクウガ又はストロンガーと言った出で立ちだなぁ。戦闘フォームを幾つか持ってるようだけど・・・どういった物なのか。そうインパクトはない。ライダーだなと分かるデザインで安牌ねらいだ。
自分はアニメはほとんど見なくなったが、幼年向け特撮ヒーローは毎年必ず見るようにしている。それはこういう特撮を作ったプラットフォームが無くならないように祈念しているからだ。そしてそれは、とりもなおさず、時たま平成「ガメラ」や二十九之巻までの「響鬼」のようなプレゼントを待っているからなのだが、次に私にプレゼントが届くのはいつのことなのだろうか?
とにかく今年最高のブログ上でのトピックスだったので、これで最後として締めておく。
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