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2006.08.16

「安彦良和原画展」インプレッション

 八王子駅前の全然そんな感じがしない九州ラーメン桜島って店のラーメンをすすってから八王子夢美術館へ。(噂の八王子ラーメンの店を探せば良かった。)ちなみにこの美術館はビルの2階に有って、正直言って小さなギャラリーと言う感じだ。JR八王子駅から斜めに走る歩道を抜ければ、非常に近いので(信号機次第だが10分前後)歩いて行っても良いと思う。けど、この時期暑いし、方向音痴の人は案内にあるバスなど使った方が良いかも。タクシーはメッチャくちゃ嫌がられるよ。短すぎて(^^;きっと。

 展示作品は点数が多く個人的には大満足。いわゆるこれらの絵の原点となるダーティペアのポスター絵かな?オレンジバックのヤツとかガンダムのLPのジャケットアートとか堪能してきました。

 分かっちゃ居るけど、うまいねぇ。

 描き方については予想していた通り。ポスターカラーと水彩。筆が得意だと言うことで特に最近のは細密な線も見事に引いている。画材は一部それ以外の物も混じってる感じ。それから、あの蛍光色はターナーっぽい。けど、アニメ業界でニッカー(今でも背景はニッカーのポスターカラーで描いてからスキャンしているとか。以前はセル塗り用の絵の具も多くがニッカーで調合したモノだったはず)が主流だと聞いているのでそっちかな?自分はニッカーはほとんど使ったことが無いので良く分からないなぁ。個人的にはサクラのポスターカラーも良いけど(マンガのホワイトはこれがきれいだった)。他のポスターカラーもあの色出せるんだろうか?淡くぼかしてあったりってのは通常の水彩みたい。これはどこを使っているのか。昔だったら安くて良かったのはサクラの水彩絵の具だったのだが。こんな事はすでに何かで明らかになってるような気がするし、買わなかった図版集に書かれているかもなぁ。おそらく絵の具伸びからも細かいとこは水彩で補正してあるんだろう。(最近の人の方が画材には詳しいし)

 でもまぁ、安彦画が表立ってで始めた頃の作品には小品(同寸くらい)だと思ってたのが意外とデカイ作品だったり、最近のモノは細かくても逆に小品だったりと、細密度みたいなモノの変化も感じられて、その辺も面白かった。

 この辺は当時の他の仕事との関係の差もあるかも知れないけど。

 それから迷いがないのよね。線に。プロだから当たり前かも知れないけど。ほとんど消しゴムや絵の具で使って辺りを消した気配がないので。ペンでも大変なのになぁ。

 20年前だったらすぐ試して真似っこしてたと思う(笑)悲惨なモノが出来るだけだけれども(笑)

 あと、上の画材と関連して印刷じゃ分からないんだけど、オペラレッドと蛍光のオレンジ使いすぎ(笑)ガンダムやゴーグの目の用に明かりがついてるなんてのは、いざ知らず、印刷では普通の紅(シャアの服とか)に見え、それで支障のないような所も混ぜてあるかなぁ。勿体ないし、ポスターカラーじゃ退色を進めるだけだからなぁ。あの効果はアレは直に見ないとよく分からない。そういう意味ではやっぱり足運んで原画観る価値はあったと思う。

 この蛍光色好きは以前の派手な印象の作品もだけど、最近の色調が違う作品でも生き残ってるし(^^;本当にスキなんだと思う。

 図版集も美術印刷なので通常の印刷よりも線数が多いみたいだけれども、色に関してはヘキサクロムのようなハイファイカラーではないみたいなので、この色味を確実には再現出来てない。蛍光紅、蛍光オレンジだったら6色有れば十分な気もするんだけど。残念なところ。

 あと、流石に作品によってはポスターカラーだったことが災いして劣化を感じる感モノが。まぁゴキブリにはかじられては居ないようだけど、色の落ち方が・・・この辺は難しいよなぁ。画材が替わるといきなり、絵も替わるから。マットなアクリル絵の具なら良さそうだけど、水彩を後から載せたりしてるから、そうも行かないんだろうなぁ。

 全体としては、手塚治虫の原画を観たような感動はなかったんだけど、「良いもん観たわぁ」と美術館を後にした。

P.S.
 にしても、麺が太麺以外は鹿児島ラーメンの特徴を持ってなかった「九州ラーメン桜島」・・・あそこは何故あの名なんだろう?店員が喧嘩してなきゃ聞いたのになぁ。あと、もやし!もやしがベシャベシャのフニョフニョなのは勘弁してぇ(^"^;

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