先日、「めざましテレビ」で灯りコーディネータだかアドバイザだかが紹介されていた。
彼女の弁によると「日本人は灯りについて分かっていない」そうだ。そう言うこともあるだろうと話を聞いているとそれは欧米の夜間照明が暗いことに意味を見いだしていた。リラックスするためだとかそう言う話なのだ。
この人も分かっていないのだ。そう思った。
確かにそう言う印象はある。私も初めてヨーロッパに行った時、深夜着だったので驚いたのは夜の暗さだ。空港以外ではいろいろな照明が暗い。夕食のメニューもランプに照らし直し確認した位だ。日本の店でもってあそこまで位のはちょっとコジャレた店かいかがわしい店くらいなんじゃ?でも、こういうところは昼間っから暗い。
たまたま色彩関係の話をする機会があったので、そこで現地のプロに聞いたのだ。すると怪訝な顔をされた。
「暗い?」
それに続けて出た話は、確かにスーパーマーケットなどでは日本より明るい店もないことはないがアレは彼らにとって眩しいレベルに入っているという話だったのだ。それはドイツの話なのだが曇天が多い気候なので、彼らは晴天になると少し眩しいくらいに思っているらしい。言われてみれば、白人の日光浴習慣はそう言う気候から来たのではなかったか。
何のことはない。彼らは体が暗いのになれているのだ。漆黒の闇ではダメだろうが、もしかすると照度が低い中での視力に関しては日本に住んでる人より高いのかも知れない。だから色彩についても日本人とは好みが違うのかもしれないというのは考え過ぎかも知れないが、明るすぎると疲れるので暗くすると言うのはそう言う生理的な部分を見ないでは要られない現象のはずなのだ。
なのに欧米はこうだから、日本もこうあるべきというのは何年前の舶来礼賛主義の発想なのか。
欧米にはいっぱい良い物や事があるのは確かだ。だが、生理現象や自然環境などの譲れない条件は厳然としてあるわけで、それを吟味しない姿勢にはガッカリだった。
灯りセラピストくらいだったら、まだ分かるんだがなぁ。
ちなみに同じ欧米でも逆に明るくないとダメな人たちがいる。
アメリカのカルフォルニア州の人たちだ。数年前の電力危機の際にシュワルツネガーの前任の知事が家庭照明を蛍光灯に変更するキャンペーンをしている映像を見たことがある。確かにフィラメント電灯よりも省エネなのでそのままニュースを見ていると仰天した。蛍光灯を手渡しした老婦人宅はハロゲンランプで照明していて、それを蛍光灯に変えてくれと頼んでいたのだ。
確かにあそこの日差しは明るいのだ。それに慣れているからなのか単なる阿呆なのかは分からないが。
彼女はその人たちに倣うとは思わなかったのだろうか?(笑)
最近のコメント