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2006.12.27

「冥福」は祈れない

 JBことジェームス・ブラウンが亡くなって、ニュースをパラパラと見ていたが、アメリカ政府の誰かが「冥福を祈る」とコメントしたというのを聞いた。JBの出自から考えるに、彼はおそらくキリスト教徒であったはずだ。仏教徒ではあるまい。この言い間違い、日本人が言ってる分には単に「無知なんだ」で自分はかまわないだが、アメリカ政府の人がそう言ったなら(ブッシュだったのか単にスポークスマンだったのかは未確認)変だし、言っていないなら誤報(誤訳)だ。

 時々、自分もそうだが、「冥福を祈る」を錯誤して神道の人に使ってしまったり、信教をよく調べもしないで使ってしまうのだが、外国人の時には、信教が違う場合が多く、もう少し確認して貰えないかと思った。

 向こうだと冥府なんて言われたらハデスが出てきそうだ。冥”福”は無さそうに思う。

 神道でもそうだ。

 で、確認のために手持ちのコンサイス和英辞典で「冥福を祈る」を引くと

 pray for ( the bliss of ) the dead.

となっていた。「至上の死を祈る」だろうか。本当に慣用的にそれを使っているかは怪しいが、死を「昇天」と位置づけ、喜ばしい事と置き換えるキリスト教ならこの表現有ってもおかしくないように思う。ただ、それに冥福を祈るという訳語を当て、辞書に載せるのは、甚だ疑問なのだが。

 国内のキリスト教ではどのように表現しているのだろう。或いはそう言う表現自体無いのかも知れないが。

P.S. もちろん合掌もおかしいし、「鬼籍には入る」も気をつけて使わねば。

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