« 載寧龍二の熱愛報道 | トップページ | 第5期「ゲゲゲの鬼太郎」1stインプレッション »

2007.04.27

細田版「時をかける少女」興行成績についてのノート

 この「時をかける少女」が商業的にどうだったのかという点を気にしてる人も多いと思う。

 Webでの評価は高いのだが、数字の情報が表立って聞こえてこないからだ。結構、検索キーワードでも引っかかるのに回答は見つからない。

 自分も知りたかったので、ちょっと分かる情報からまとめつつ考察してみよう。

    DVDのビジュアルノートより(括弧内注釈は筆者)

  •  単館系で34週を超え、のべ100館になった。(前後の関係から2007年3月までの話と思われる)
  •  テアトル新宿では1週目2週目はコアなファン層で、満席には届かないが、増減無く推移
  •  3週目から明らかに客層が変わりカップルやファミリー層など一般層が目立つようになる。(3週目という事は8月になってということ)
  •  その後立ち見でも入れないような状況が始まる。

 2007年3月まででのべ18万5千人以上の動員(客層の分布や招待券の存在の有無などが分からないが、単純に185,000人×1,000円として185,000,000円すなわち多めに見積もっても2億円前後のチケット収入だったことが分かる)(*1)

 でも、角川映画の人が言った18万5千人はテアトル新宿単館の成績なんではとも思っている。映像ではそう断言できないので少な目に判断した。

 18万5千人だと半年弱で150日で1日4回興行で1回300人動員だ。たしかテアトル新宿ってそのくらいの規模だったはず。それならかなりスゴい。半年ずっと満員だったんだから。

 ただ、どちらにしてもランキングに残らなかったので20億は越えなかったのだ。10億の大台もどうかなぁ。越えたらそのことを言ってそうだし。

 角川の事業報告書に書いてないかしら。

 さらにネガティブな情報を上げると対抗馬としてあげられる「ゲド戦記」は公開2日で67万人突破。2006年中の興行収入76.5億円で邦画の第1位だ。桁が違って話にならない。中身を見ないなら、単なる投資家は次にお金を出すならどちらに出すだろうか?

 興収は表面的評価で、本来の利益や利益率だとどのくらいになるのやらとも思うがそれでもスループットの良さからも「ゲド戦記」となりそう。リスクは高いけどね。

 たとえば1館あたりフィルムを焼くと50万円くらいかかるという話がある。一気に300館(多分デジタル上映館も入ってるとは思うが)公開したらそれだけで1.5億円もかかってしまうし、「ゲド戦記」に制作費が「時をかける少女」より上だろうと推測されるのだが・・・

 お大尽でもない人間が、好きなものや良いものを評価し、広めていくってのは本当に難しい。そういう意味では世知辛い。でもやめてしまったら、わずかなそういうものもなくなるんだって事。肝に銘じたいねぇ。

 後は付随するマーケットがどれだけ突き動かされたかだなぁ。

 自分もがんばって投票権稼がねば。

 そんな中、賞をもらったのには意味がある。

 特に日本アカデミー賞アニメーション部門の受賞は意味があったんじゃないかと思うなぁ。

(追記で表現変更)

*1
NBONLINEの「ヒットの共犯者」シリーズでこう記載がある。
「(11月13日現在)観客動員が17万人ぐらいで、興行収入(入場券による売り上げ)が約2億4000万円を超えました。」

参考記事:
マイコミジャーナル
【インタビュー】
『時をかける少女』DVD発売 - 生みの親に聞いた「今だから言えるヒットの"秘密"」
URL= http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/04/26/tokikake/index.html

NBONLINE
【ヒットの“共犯者”に聞く】
映画「時かけ」の場合 I
角川書店・マッドハウスプロデューサーインタビュー その1
URL= http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20061201/114745/

【ヒットの“共犯者”に聞く】
映画「時かけ」の場合 II
角川書店・マッドハウスプロデューサーインタビュー その2
URL= http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20061201/114771/

【ヒットの“共犯者”に聞く】
映画「時かけ」の場合 III
角川書店・マッドハウスプロデューサーインタビュー その3
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20061201/114774/

« 載寧龍二の熱愛報道 | トップページ | 第5期「ゲゲゲの鬼太郎」1stインプレッション »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 細田版「時をかける少女」興行成績についてのノート:

« 載寧龍二の熱愛報道 | トップページ | 第5期「ゲゲゲの鬼太郎」1stインプレッション »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

Twitter


BOOK LUCK!

無料ブログはココログ