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　この話は後に同様のテイストで書き直される「吸血木」の導入部分。商業誌(ガロ)版「鬼太郎夜話」の時には牛鬼とドラキュラの格闘の末だったはず。

　さて、「墓場」だけでなく「ゲゲゲ」の方でも、この「吸血木」の話は幾度となくリメイクされる。御大のお気に入りのエピソードの一つ。シチュエーションだけなら西洋妖怪との「小笠原決戦」とかね。「ゲゲゲ」の方は「のびあがり」がらみもあるなぁ。こいつはアニメにもなっている。

　貸本版の鬼太郎夜話の第2話「下宿屋」第3話「あう時はいつも死人」が今回のベースだ。角川文庫版の第1巻が終わったところになる。ページもそんなに無いのだが大幅にカットされているエピソードがある。

　冒頭の老博士が夜叉を捜し当てて、元の話では鼠にかじられて白骨化しながら、そのとき出た血が夜叉にかかって復活するのだけど、そこの怖い感じを少し緩和してあった。老博士がさすらいの果てに何かを探し出し、息絶えるというイメージが好きなのか「悪魔くん」の冒頭でもやっている。元を知ってる所為かこのあたりかなり急いでる印象がある。

　それから鬼太郎が小学校に通っている設定がオミットされている。コレはさして重要ではないが次回の寝子のエピソードの時にどう切り抜けるのか？興味がある。

　他には夜叉に操られた鬼太郎の骸骨節がテレビで流される（そのことによって夜叉が人を集めようとしていた）話、鬼太郎とねずみ男の出会いのタイミング、ハナがちぎられ、一つ穴の鼻になったドラキュラ（コレは残酷だという感じがするんだろうな）血液銀行社長（今回は病院経営者）と鬼太郎が会う場所が違うとか漫画家の水木が出てこないとか。
　しかし、血液銀行社長の死や水木の復活、吸血木の芽の誕生など結果は変えていない。非常に上手く作ったような木が・・・いやいや気がする

　今回も魅せた「地獄流し」的要素は前回も出ているが、電車を使う「地獄流し」も「墓場鬼太郎」の段階で完成されて何度もリメイクされてる（5期「ゲゲゲ」にも使用された）。今回の放映に入るんだろうか？

　ちなみに公式サイトで得られる情報によれば採用エピソードは下記のようになっている。

　「妖奇伝/幽霊一家」（第1話「鬼太郎誕生」）
　「地獄の片道切符」（第1話「鬼太郎誕生」）
　「下宿屋」（第2話「夜叉対ドラキュラ四世」）
　「あう時はいつも死人」（第2話「夜叉対ドラキュラ四世」）
　「吸血木と猫娘」
　「地獄の散歩道」
　「水神様が町へやってきた」
　「顔の中の敵」
　「怪奇一番勝負」
　「霧の中のジョニー」
　「ボクは新入生」
　「怪奇オリンピック―アホな男―」

　今後を展望すると、

　中川翔子の寝子の出番は3～5話という事で「吸血木と猫娘」「地獄の散歩道」はそのあたりに入るんだろう。（角川文庫版第2巻収録）

　「水神様」編の「水神様が町へやってきた」「顔の中の敵」はかなりスペクタクルな話だけど2話くらいで収まるのかな？（角川文庫版第3巻収録）

　「怪奇一番勝負」はリモコン手の話。「霧の中のジョニー」は「ゲゲゲ」の「吸血鬼エリート」の原型作品。首相を餌食にするあたりがチャンと書かれるかどうかがキモだな。各1話くらいで描くことが可能だと思う。（角川文庫版第4巻収録）

　「ボクは新入生」は「ブリガドーン現象」の話。これもリメイクは何度かされてるけどアニメでは初めてじゃないのかな？(角川文庫版第5巻収録)「怪奇オリンピック－アホな男－」はタイトルとは裏腹にシュールな話。(角川文庫版第6巻収録)この二つは両方とも漫画家の水木が絡んでいる話で、もしかしたら合体させてシナリオを組んでくるかも知れない。

　個人的には予定に入っていない残りの2話、「ないしょの話」（「ゲゲゲ」にて「大海獣」となる話の原型）「おかしな奴」（「ゲゲゲ」で「陰摩羅鬼」としてリメイク）も捨てがたい。

　1クールだけど10話くらいの予定だったはずだから厳しいだろうなぁ。新シーズン作るには原作が足りないので、スペシャル版でOVAでも良いや。今のクオリティならチャンと出来る。ゲゲゲと墓場で鬼太郎祭りでも良いんだけどね。お子様が見られないかもなぁヤらしい鬼太郎は(笑)

　トランク永井は流石に無理だったのね(笑)