「墓場鬼太郎」#3「吸血木」
大胆に変えてきたなぁ(笑)
まぁもともと貸本版からして「トランク永井」や「大空ひばり」としていることから、さすがの水木御大でも分かっているわけだけど、現実はもっとヤバイ感じがあったのでそこも変更したのは想定内(古っ)の話。どう変えるのかなぁなんて思って訳で「そう来たか」と。
あ、でも変えたなあってのは「トランプ重井」の名前ことじゃなく(笑)話のことだけどね。
で、この貸本版「鬼太郎夜話」は前回も触れたように「吸血木と猫娘」と言うサブタイトルで分かる通り、二つのことが平行して起こってる混濁感を楽しむというか、水木さんの行き当たりばったり感を楽しむというか(笑)そんなところが魅力だったのでちょっと残念。
「墓場鬼太郎」#2「夜叉対ドラキュラ四世」
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2008/01/2_bf19.html
だってバラしてしまうと「吸血木」のエピソードがマクガフィン並に話の進行のために使われてる(実はなるけど)実のないエピソードだってのが、バレバレになってしまってる(笑)本当に紆余曲折はあるモノの「吸血木」にはそんなに意味がない。ストーリーに整合性を求めた所為か、ピエール瀧の出演期間を短くするためかも知れないけど。
この回に後に他の妖怪のキャラクターに使われる衣装を保った「物の怪」が出てくるのが注目点。猫娘も化け猫のスピンオフだけどおそらく水木以前からポピュラーだったのでそのイメージを借りてるだけだろうそういう意味でオリジナリティある妖怪らしいのはものは「夜叉」だけ。その「夜叉」も伝承の「夜叉」とは一線を画すビジュアルでこの後、「妖怪」ということばが出始めるまでに「水木しげる」が「柳田国男」の知識を手に入れたに違いないと思われる。
最初は怪奇マンガとして描かれていた物に「妖怪」概念が入ってくる。
そういう意味では興味深い流れだ。
極端な話を言ってしまうと今僕らが思っている(民俗学的意味でない、しかも曖昧な)「妖怪」の意味は「水木しげる」が作ったと言っていい。その課程がまさにこの貸本版「墓場鬼太郎」を通して読み取れることが面白いなぁ。
ちなみに挿入歌の「有楽町で溶けましょう」(なんちゅうタイトル(笑))はトランプ重井役のピエール瀧本人の歌唱主題歌のシングルにC/Wだそう。
寝子役の中川翔子は他の声の仕事を「デカレンジャー」のゲスト「ヤーコ」の声でしか覚えてないので、かなりしっとりした感じで「二声」は持ってるのかと感心。来週の活躍が楽しみ。
ちなみに「墓場鬼太郎」の関東地区視聴率は初回4.8%(番組占有率22.1%)、第2回4.9%と恐ろしいほどの高視聴率。初回は「プリキュア」に続いて、アニメで10位に入っている。「墓場」に関してはこれを逃すといつこういった物が出来るか分からないので、応援していきたいなぁ。
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