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2008.01.14

「朧」インプレッション

 厳密には妖怪ではないんだけど・・・

 倒産した週刊無料漫画誌「コミックGAMBO」の連載マンガその第一巻のインプレッションというか諸々。

 コミックGUMBOは意欲的な雑誌だったが事業としての見積もりが甘かったと思う。首都圏で配布されて成功した読み物雑誌「R25」のようなものをイメージしたのだろうが、マンガの面白いやつってそうそう出てくるわけがない。現状のマンガ雑誌を見ればよく分かる。

 ネームバリューのある作家を入れても実際はもう目も当てられない物だったり、配布料も見てる限りかなり苦戦していた。(「R25」などは殺到して、入手困難なときがほとんどなんだけど)

 その中で唯一目を引いたというか自分にとって語る意味のあるマンガが「朧」だった。

 ジャンルとしては都市伝説、実話系怪談になるんだろうか?ちょっとした都市伝説ブームもあったのでその辺を当て込んでだったかも知れないが、マンガの面白さとしてはまだ導入編のような物でさして強く面白いわけでもない。

 惹かれたのは実話系怪談を1話(前後編)に2編集力していること。

 話のパターンは単純で、まず怪談を蒐集している視覚障害のある謎の少女が突然現れ、相手に怪談を語らせ蒐集する。聞き終わると「残念ながらその怪談は収集済みです」と言い、「しかしちょっと違っている」と続けて、彼女の蒐集済みの話を語ることで、その二つの話のギャップに怖さを見いだそうとするものだ。

 この試みは興味を引いた。単行本が出たので早速入手したのだが直後に出版社が潰れてその後が読めなくなってしまったのだ。

 後で知ったのだが、誌上では怪談募集のような事をやっていて、(募集が始まったとこ、あるいは始めようとしただったらしいので実際には機能していなかったんだろうが)アンソロジストの東雅夫が関わっていたとのこと。面白いムーブメントでこれからだったので残念に思う。

 マンガを書いている木村直巳は「マンガ少年」出身の古参の劇画家、久々にチャンと彼の物を読んだ気がする。

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