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2008.01.17

古紙のリサイクル幻想

 日本製紙社長が年賀はがきの古紙配合率を偽った件を受けて、辞任するらしい。

 毎日.jpの記事
 URL= http://mainichi.jp/select/today/news/20080117k0000m040097000c.html

 この件については偽装であり、契約不履行で、しかも国の購入物についてはグリーン購入法という法律があるからその違反でもある。だから糾弾されて社長辞任しても何らかまわないのだが、まだ一般の人には古紙のリサイクル幻想があるんだなと思った。

 日本は早くから古紙リサイクルが行われており、ダンボールリサイクルなどはその仕組みの構築度合いから容器包装リサイクル法でも特別の扱いを受けているほどだ。しかし、実はリサイクルペーパーはそれほどエコ(環境に優しい)でもエコ(経済的)でもない。

 この日本製紙自身まさにそういう発表をして、古紙100%の紙を生産しない旨、大々的に去年発表した。その前年には大日本印刷を中心としたメンバーが古紙はマテリアルリサイクルの課程で排出する石油由来のCO2発生量が多くなると言う結果が出ているからだ。

 日本製紙のニュースリリース
 再生紙ラインナップを再編、古紙100%配合製品を廃止
 http://www.np-g.com/news/news07042401.html

 日経ビジネスオンラインの記事
 古紙100%配合でCO2は増加?
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070608/126867/

 石油を使うと言うことは原油高の今、経済的にも大打撃だ。

 そもそも紙が解繊されたパルプに戻るというのは嘘ではないが、性能を維持しているかどうかについて、それが元通りには成らないと言うことはあまり一般に知られていないのでは?今回、"品質を上げるため"に古紙配合比率を下げたようだが、古紙はいったん裁断された紙であるために、すでに繊維が短い、この短い繊維では上手く抄紙できなくて、リサイクル加工過程で紙粉と呼ばれる粉に変わっていく。

 コピー用紙を入れ替えたりする人やコピー機の会社の人であれば、すぐ分かると思うが最近の粗悪なコピー用紙ではこの紙粉が大量に出て、プリンタやコピー機の故障原因にもなっている。数千円を惜しんだために、結局もっとお金が掛かってしまったりする。

 それから、近年、中国の産業が活性化したことにより古紙需要も上がり、古紙価格が高騰している。従って、古紙は安いという事も決して言えなくなった。

 それから、コレが重要なのだが、もう一つあまり報道されていない問題がある。

 古紙の汚染だ。

 ちゃんと調べていないので具体的な数字を出せないのが口惜しい。上記で言っている古紙リサイクルは国内で入手した古紙を利用して日本国内でリサイクルされている事、前提なのだが、中国の産業活性に伴い運搬用の箱(ダンボールも含む)が大量に日本に入ってきている。そういう状況下において、本来日本では使用しない物質が古紙パルプから検出されるようになっているようだ。

 また、国内でも(医療に関わる)感染性の一般または産業廃棄物等が古紙に混ぜて捨てられているようだ(廃掃法違反、悪質な不法投棄にも当たる?)。製紙メーカーやそのサプライヤーではそれらを分別し原料としない作業もやっているようだが、見た目で判断が出来ないので分別が困難なのだそうだ。

 塗料に鉛等の有害物質が使われてマテル社などの玩具が回収になったことが記憶に新しいと思うが、印刷用のインクについても同様のことが言えるようだ。従ってコレがリサイクルされる原料になっているために、リサイクル紙にも汚染が残るわけだ。もっとも濃度は薄くなっているのだが、どう状況が転ぶか分からない。世界的に有害物質規制は広がっている。表だって騒がれてはいないものの製紙業界は免責をねらった行動に出ている。

 食品に接触することを意図した紙・板紙の自主基準について-google検索結果-
 http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%81%AB%E6%8E%A5%E8%A7%A6%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E6%84%8F%E5%9B%B3%E3%81%97%E3%81%9F%E7%B4%99%E3%83%BB%E6%9D%BF%E7%B4%99%E3%81%AE%E8%87%AA%E4%B8%BB%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6&num=50

 色々見て欲しいのだが、食品衛生法上は今までは「紙」に関しては特に明確な決まりがなかった。インクや接着剤には業界自主基準があったが、紙には今まで無かったのだ。紙がリサイクルされれば紙であるという事で免責されてきたのだが、そうも言えなくなって自主基準で横並びの決まりを作る段階に来た。それでも対した量ではないのだが・・・。

 何が言いたいかというとこういう状況を鑑みると、

  • 国は早急にグリーン購入法の購入基準を改めた方が良い。
  • エコマーク(今年見直し来年発効予定かな?)など環境ラベル関連の基準も早々に見直すべきだ。
  • マスコミももっと勉強しろ!

と言うこと。かつてガラスがリサイクル工程で鉛含有度が上がってしまい、毒性を高めていた時期がある。現在では生産工程が見直されてそんなことはなくなってきたが、技術的、経済的困難な内容なので、業界が頭を抱えていると言うことだろう。

 紙は当分無くならない。これほど重宝する媒体は無い。だからこそちゃんと情報を知って対応を検討していく必要がある。

 それに日本製紙がこういった紙製品から早々に引き下がるのは、実は不採算部門なんじゃとも思っているのだが・・・。

 結局こう考えると、森林認証済みの森林を元にしたバージンパルプか、同じく適正な栽培、購買の元に行われている樹木以外の植物パルプにしか紙の原料を求められなくなりそうだが、こちらはこちらで、また問題を抱えていたりするのはいずれ別な話でまとめてみよう。

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