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2008.04.27

「少林少女」インプレッション

 映画的にどうですか?とか聞かれたら間違いなく低い点数をつけざる得ない。しかしそれは監督と脚本の所為で絵面とかイベント性なんかに関しては十分満足できた。まぁ「妖怪大戦争」には遠く及ばないんだけどね。

 それから、一人で見に行かない方が良い映画でもある。仲間と「バカ」を見に行くタイプの映画で、その後ネタを反芻して楽しむような物だ。一人で真摯に評価しようとすると凄くツライ(笑)

 もしエンタメ映画として考えるなら、やはり脚本や演出が良くないのだといえる。個々のネタは良い。ネタの披露会をストーリーラインで見せると言うような形になっているので、ちょっとカタルシスが足りない。シリアスなドラマとしても掘り下げが足りない。

 カタルシスを与えるためにはラクロスの試合と闇との戦いを融合させた話にした方が良かったと思う。個別にやるから話が違う感じがする。キャラのバックボーンが主人公ですら断片的なのでドラマとしては盛り上がらない。記号で進めるバカな話をやるには心情シーンを入れすぎてるような気がしていた。

 それに、個人的にはラクロスと格闘が別々なので、大量に出てくる女性陣がもったいない。特撮ウォッチャー的には響鬼の香須美役だった蒲生麻由、キャプテン役にはボウケンジャーで風のシズカ役だった山崎真実、ウルトラマンマックスでアンドロイド・エリー役だった満島ひかりなどが出ていて賑わしていた。こう沢山いると一人二人は不細工役をする子が出るのだが、「美しさを売る」と言う免罪符台詞の所為か皆可愛い子をそろえていてるのも珍しいキャスティングだなぁと思って見ていた。

 ちなみに自分が一番笑ったのは「おじいちゃんの写真」のファーストショットである。

 主役の柴咲コウはものすごく頑張った事が画面からよく分かる。全体的なアクションは良くできてるし、はつらつと動く様には感心する。が、駅を出てすぐの側宙シーンは着地で失敗していたシーンをそのまま使っていて、この辺が今ひとつ演出の甘さを感じたところだ。一番最初の単独のシーンだからこそ、みんなを「ほうっ!」と感心させなきゃいけないと思う。

 そもそも言葉で「凄い」と言われている凜の凄さを初めの方で絵で見せておいた方が良かった。(演出としては初歩の初歩でしょう?)それほど少林拳を極めて、戻ってきたのにボールコントロールさえ、すぐに習得できないってあたりが、どうも・・・もどかしすぎて良くないなぁ。

 最初にも言ったけど個別のネタややりとりは面白いのだ。逆に言うとそれと柴咲コウのがんばりがこの映画の魅力で、映画の出来とは関係ない。よしんばコレでヒットしたとしても監督や脚本は勘違いしない方が良い。(それすら消し去った「どろろ」は本当に目も当てられない)

 それから、この映画の一番の見所はエンドロールなので、あの入り方なら間違って出ちゃうい人はいないと思うが、最後まで見るようにして欲しい。

 あ、ネタ的には最後のテロップは「終映」にして欲しかったな(笑)

P.S. ちなみにこの映画あのデビルマンに100点満点で2点をつけたことで有名な「★前田有一の超映画批評★」で4点という久々の低得点映画だ(普段は低くても20点くらい)。個人的には辛すぎると思うが、監督の本来の力から考えると出来が悪いと感じるのは否めない。

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