「マッハGOGOGO」最終回インプレッション
半ばから観だして、最終回こそがまさしく自分の認識にあった「マッハGOGOGO」の話だった。しかし、これまでの話はほとんど国際的犯罪組織の壊滅話だったりするのは困った物だ(面白かったんで良いんだけど)で、最終回は前後編の2部作かと思ったら実は、その前の「アクロバット族の逆襲」からの3部作的構想だった。
「アクロバット族」ってのは観られなかったけど、序盤に出てくるその名の通り、アクロバットな走行集団で、邪道なレースを仕掛けてくる奴ら。しかし、言葉ではそうなのだが、他のレースも相当に邪道なので(笑)酋長を中心とした(西部劇)コミュニティと多対個の戦いが面白かったように覚えている。なんと言っても前中後編の三部作なんだよなぁ。なんか何度も出てきた印象が残っていたのはこの所為なんだろう。
この回で一応の覆面レーサー話が決着している。弟には秘密諜報部員であることは証せないが、酋長には証すという(笑)「ちょっと待てーっ!!!」ってな感じなんだけど、観てると「覆面レーサー」に自分が説得されてしまって、そんな彼が格好良い。
続く最終2部作はありとあらゆるレースを組み合わせた「史上最大のレース」へのチャレンジだ。突っ込み所もヤマとある。
のっけから、お母さん(怖いナレーションでおなじみの来宮良子)が「そんな危険なレースに出るなんて」と泣き崩れるも、今まで、戦車も踏みつぶすナゾの戦闘マシーン(ガッチャマン呼んでこい的)相手とかマシンガンの段幕にさらされたこと数知れず、視聴者には全然説得力がない。「もっと怖い目に遭ってきたがな!」とか言わずには居られない(笑)
また、このレース、レースとしてかなりおおざっぱ(笑)と言うかこの番組自身おおざっぱなんだが。ショートカットなんてのは全然かまわないし、自機を失っても、工夫次第でレースに復帰できる。たとえば雪上車が立ち往生してしまい(と言うか半壊)、そのパーツで氷上ヨットを使って進んでも問題ない。あるいはボートを失っても、イカダでチェックポイントに着きさえすればいい。爆弾や地雷で妨害しても何らとがめは受けない。誰もチェックしてないんだから、チェックポイントを平気な顔で通過しても分からないんじゃないかと思うのだが・・・ソコは何かの工夫があると言うことにしても、もう楽しく突っ込んで、個人的には大満足(笑)
こういうのは多分作ってる人がレースの表層は知ってるけど中は知らなかったんだろうなぁと思わせるところだ。今ほどに日本ではレースがメジャーではなかったんだろう。思えば一般人が車の免許を持ってるのがまだ珍しかった頃だろう。子供だましというか、大人もだまされてたんじゃとかね(笑)
この最終回は豪華な乗り換えリレーが楽しませる。最初は初代ホンダのF1カーを思わせる車(前に乗っていたのとは又ちょっとデザインが違う)、ジェットボートのようなもの、カヌー、複葉機、潜水艦(!?)、雪上車、ジープタイプの車等を乗り継いで、最後にマッハ号に乗り組んでシベリアのツンドラ地帯からウラジオストックを経て、日本でゴールする予定だったのだが・・・(よく考えたら前編でマッハ号出てこないジャン!)
今まで散々な目にあって苦境に立たされていながらも克服してきたのに、敵に情けを掛けたために、ガス欠でシベリアで立ち往生。万事休すの状態になってしまう。他に方法はないのかよ!(笑)と突っ込んでいると、颯爽と覆面レーサーが登場。「レーサーとして甘い」等となじられながらも、一斗缶でガソリンをおいていってくれたおかげで、窮地を脱する。
で、ウラジオストックから日本への移動はどうするのかなと思っていたら、残った車が皆「同じ船」で移動するんだよなぁ(笑)
脱落者がいるんだから全く無意味では無いにせよ。今までの抜きつ抜かれつは何だったの!?と最後に大きく突っ込んだ。
結局、三船剛は優勝する。(今まで何度も勝利を失う話があったので、最後まで疑心暗鬼だったよ(笑))しかし、最後に自分の甘さから窮地に陥ったことから、さらに高みを目指す事を誓って幕を閉じる。
今まで思いっきり突っ込んでおきながら、再び走り出したマッハ号に主題歌が被るとこはやっぱり格好良いと思っちゃうんだから不思議だ。全く。
「マッハGOGOGO」はタツノコの第2作。その前が「宇宙エース」で完全タツノコとは言い切れない物だったことから考えると、実質の第1作でもあって、1967年(40年前だよ)の作品とはちょっと思えない。今だったらもっと細かく描けるだろうし、シナリオももっと破綻無く書けるだろうけど、それが面白いかどうかはわかんないなぁ。
それから愛川欽也の芸達者振りには本当に感心する。おとぼけ声とかっこいい声の使い分けだけでなく、格好良い声も2種類ぐらい使い分けてるし、悪役の声もいかにも怖い役もやってるし。
そこには「愛」が無いと・・・。
もうあと半月で「スピードレーサー」が観られると思うと本当に楽しみ。思う存分愛ある「バカ」を楽しみたい。
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