「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」インプレッション
多分今年一番のビッグネームだと思う。観たら分かるんだが、色んな意味で期待を裏切らない。4作目であっても、そういうネタが疲れた感じはないし、まごうことなく「インディ・ジョーンズ」だった。
ただ、面白いかと言われたら面白い(100点満点で80点以上は確実に取れる)が、個人的には冒頭のエピソードのトンデモ度が強すぎて、乗り切れない感じが残ってしまったのも事実だ。
(以下ネタバレあり)
「インディ・ジョーンズ」は、つい忘れちゃうんだけど、「今」の話ではない。初期作品は「ナチ」が絡んでいて、今回は劇中でも20年近く時間経過しているが、それでも冷戦の頃だ。今回の敵は「ソ連」だ。
それからネタのトンデモさも一つの売りで、今回のタイトルになっている「クリスタルスカル」は便乗で学研の「ムー」が特集組んでるほど有名なオーパーツ(その時代に存在してはならない物。とは言っても、こいつは最近では作り方が分かってきたので昔に存在しても何ら不思議がないのだが)だし、それに絡めたマヤネタとか、中学生あたりまでなら笑ってすまされそうなネタが満載なのも変わってはいない。
こういったネタだと軽く笑ってすませて、流してしまうんだけど、ネバダの基地に仕舞われた宇宙人死体を探し出すエピソードの最後はちょっと。
ネバダの基地に「ソ連」が侵入する際(堂々と銃撃して入っていくんだけど)「実験準備で閉鎖中」との台詞がある。入り口へ向かう道の前には「Atomic Cafe」のネオンサイン。「アトミック・カフェ」と言うのは未見だが、核兵器ドキュメンタリー映画のタイトルだ。
こういう記号を入れた意図はよく分からない。スピルバーグは反戦の意志が強い監督だし、米軍の扱いが良くない映画なので、もしかしたらブラックジョークで笑うネタなのかも知れない。
また深い意味もなく、そういう時代だったと言うだけの物かも知れないのだが、その後、インディが脱出を図り、原爆の爆発実験にさらされて、如何に冷蔵庫の中に身を隠し、直撃を避けたとは言っても、キノコ雲を見上げるような距離で、無事でいるのは、ちょっとどうかと思う。たしかに当時キノコ雲に突進していく戦士には「放射能による障害の危険性」については隠蔽されていた。
そのことを揶揄してるようにも見えるのだが、いやその事をさっ引いても、あの絵面を観ると本当に「大丈夫だ」と勘違いする輩が居るように思えて成らない。いや、インディの不死身さの表現であるし、その後防護服を着た人間にガイガーカウンターで計測されながら、徹底的に洗浄されているシーンもあるのだが、やっぱり腑に落ちないのだ。
その所為か、良くできた個々のエピソードが宝石をビニール紐でつないだように見えて、本当に残念だった。
個々のエピソードは本当に面白い。如何に楽しませるかを知り尽くしている。色んなトンデモネタもスルーできるんだけど、この引っかかりがあったため、その後素直に楽しめなかったのだ。
ラストの帽子を息子が取ろうとして、再び親父がさらっていくのも意味深で、良いけどなぁ。
それだけにこの冒頭のエピソードは自分にとっては大きな傷になった。
「ガメラ2」の「守ろうや」でも同じように萎えちゃったからなぁ。
本当に残念。
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