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2008.07.18

ある色鉛筆の復活

 長らくまともに描いていないが、画材オタクだった時期を含めて色々と使ってきた。色鉛筆もその一つだ。

 しかし、何度も色んな物を手にした割には、自分の作風に合わなかったのだろう、これだと思った物がない。今でもお土産に貰ったスイスの水彩色鉛筆が手元に使われずにある。

 思えば色鉛筆に最初にあった記憶があるのは三菱だったと思うが黄色い紙箱の水彩色鉛筆だった。これは色鉛筆が溶けることが面白かったんだと思う。そのあとには多分色々なメーカーのキャラクター物の缶箱入りを使っていたんだろう。(幼稚園で持つ過程宝あてがわれていたのは間違いない。)個人的にはそのころは既に筆塗りやクレヨン派だった様に思うので、あまり覚えていないのだ。

 そして小学生。最初にあてがわれたものの、あっという間に他の画材に流れていった。色鉛筆は自分に取っては使いづらかったんだろう。

 マンガ原稿やコピーの下書きに使う水色はユニじゃなきゃイヤだとかそんな拘りはあったが着色画材としてはイマイチだったんだろう。お金を貯めて「ラッションペン」36色セットなんか買っていたようなちょっとイヤなガキだったが、色鉛筆にはとんとだった。

 色鉛筆で凄いと思ったのは大学に入ってある人の絵を見てからだ。

 その人は今は表だって創作をされていないので、紹介するには、はばかるのだが、「色鉛筆をそういう風に使うのか」と目から鱗だった。確かあまり高くない特定銘柄の色鉛筆でないといけなかったのではなかったかなぁ。

 もっともその人が描いていた絵は自分にはとうてい描けない物だったので真似したりはしなかったのだけれど、侮れない画材だと思った。

 このように色鉛筆は自分のモノには出来なかった。けど、それなりに渡り歩いてきたので思い出がないわけでもない。

 色味で好きなのは三菱ユニのシリーズだ。顔料が濃くて自分好み。隠蔽力もある。ただ、一回の被覆面積が狭いのは色鉛筆なんで仕方ない。

 サクラクーピーペンシルは結構長い間使っていた。色数がそろえにくいのが難点だったけど、絵の具のように準備しなくて良い手軽さを味わっていた。

 それから、これコーリンの12色鉛筆だ。小さな会社だったので色んな事があった。今年、10年ぶりに日本のコーリン色鉛筆として戻ってきたのだ。このスリーブ式の意匠、三角に顔マーク。小学生の時に最初に買って貰った色鉛筆はこれだった。正直言って格好良い訳ではない。着色もそんなに良かったわけでのもない。

 コーリン色鉛筆
 URL= http://colleen.jp/

 ただ純粋に懐かしい、使っていたから愛着を感じる、それだけなのだ。

 僕らは変わり代わり行くものを一杯見られた。その中から愛着を感じるモノを一杯作れた。完成し非の打ち所のないモノばかりだったら、きっとそんなことはないのだろう。

 だから少し、また少し文具に惹かれてみたい。

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