「スピード・レーサー」インプレッション
ブラボー!!抜群だ!よくぞ作った!
エンドロールが終わった瞬間、立ち上がって拍手したくなった。こういった感覚は「ロボコップ」以来だ。
60年代のあの「マッハGOGOGO」がそのままに、そして確かに今の映像技術でしか再現できない姿でそこにあった。
期待の上を行く出来だった。まさに上出来。
約2時間の上映時間は全く長さを感じさせない。全シーンがオリジナルへのオマージュ。敬意と愛がそこにある。
「バカ映画」だなんて言ってゴメン。オレの方がバカだった。コレは「マッハGOGOGO」そのものなんだ。「マッハGOGOGO」に熱狂した中年親父は見に行って全く損はない。
酷評されたり、正直売れなかったりした理由も分かるが、その流れに合わせちゃうと自分にとってのこの映画が面白く無くなるので、このままで大正解。だって「マッハGGOGOGO」が面白く見られない人にこの映画を見せたって、「面白くない」言われるのは当たり前じゃないか。
この映画の中の普通に突っ込みたくなるシーンは、すべてオリジナルにソースを見て取れる。それと日本のアニメの手法。
正直言って冒頭の子供の頃のスピードの妄想シーン、落書きのマッハ号に被っているスピードに越部信義の懐かしいスコアがかかった段階で、もう涙腺がやばくなった奴の話なんかまともに聞いちゃおれないだろうが、アレも「おまえら子供の頃こういう風に思ってなかったか?」と問いかけられているようだった。
見終わってマッハ号を運転したくなったら負けなんだよ(笑)
実に明快な単純なストーリー、分かりやすくも巧みで劇的な演出。たまらなく好きだ。ロイヤルトンが最初にレーサー家(三船家)を訪れた際に「ファミリーは大事だ」と言いながら、チンパンジーのチムチム(三平)には馴染めないそぶりをするのが、笑うシーンでもあるが、彼が実はファミリーを大事にしない人間であることを予感させるとか、子供のスピードに兄のレックスが「感じろ」と言っていたことが、最後のレースで生きると同時に、他のことにも効いてくるなんてのは本当に大好きなんだよなぁ(笑)
スプライトル(くり坊)とチムチムがトランクに忍び込むなんてのは、もう毎回のお約束だし、お菓子目当てで忍び込むなんても本当にそのまま。そしてその忍び込んでいたことから敵の本拠地がかき回されるなんてのも。「あり得ない」なんて言葉の方があり得ない。
ならず者ばかりのレーサー控え室、マシンガンを仕込んだトレーラーやレースカー、「マッハGOGOGO」には当たり前にあったシーンだ。
トリクシー(ミッチー)がヘリコプター操縦できて、カーレースでも玄人裸足の腕前だってのもそのまんま。コレも表現したかったのかウォシャウスキー兄弟よ(笑)ってな感じ。
懐かしいパチンコ(スリングショットとかいうんだっけ?)攻撃もあったなぁ。
あ、でも、レスリングチャンピオンはアメリカに行ってからの設定か今回限りのだと思う(笑)
役者はあまり有名ではないかもしれないが、パパ・レーサー(三船大介)のジョン・グッドマンは並べると明らかに違うんだが、何故か見た目がものすごく似ている。(多分一番はまってる)トリクシーのクリスティーナ・リッチは今年頭に公開されたペネロピのブタ鼻少女の役とは全く違う役をこなしている。「アダムスファミリー」の子役時代から息も長く実力も備えた女優だ。ママ・レーサーのスーザン・サランドンの経歴には文句がないでしょ?役者陣はやっぱりちょい役だった真田広之ですら良い具合にはまっていて何の文句もない。
スピードはあの格好(青いシャツ、赤いマフラー、白いパンツに赤い靴下と茶色の靴)も再現してくれていて嬉しかったし、(赤い靴下にああいう意味持たせるのも良いなぁ)
そうそう最後のレースの始まる前にスパーキー(サブ)がスピードに「(このレースにメカニックとして参加させてもらえて)感謝している」と言う台詞があるけど、これも最終回「史上最大のレース」でサブが剛に言った言葉だ。
今年最高の映画だとは言わない。けど、オレにとって今年最高に面白かった映画になる可能性は今のところ一番だ。
酷評の内容は漏れ伝わる感じだと頭の中で考えた物を当てはめただけのような物があってあんまり参考にならない。「2時間は子供には長い」とかね。チャンと観たのか?と言いたくなる。
なお、3D酔いを懸念して少し後ろの席で観た。一番前だと画面からの情報量の凄さに圧倒されて本当に酔っちゃうかも知れないが、「クローバーフィールド」のようなことはないと思う。レースシーンは変幻自在だが、カメラワークは素人目線ではないので酔う要素は少ないと思う。個人的には情報を余すところ無く堪能したかったら少し後ろの方が良いと思う。ただ、3D映像に酔わない人なら一番前でも大丈夫だろう。
むしろ違和感があるのは、一部日本のアニメの手法を取り入れた、前景、中景、遠景のスライドの仕方がバラバラに動くシーンでアニメをあまり見てない人だと、妙な感じがあるかなぁ。
派手な色遣いに気押されて仕舞うかも知れないが、アレが逆にリアルだったらどうなるのかとも思う。目は疲れたけどね(笑)
しかしながら、日本でも今夏は強敵揃いで、苦戦が予想される。
オタクを自覚してるなら、後で劇場で観なかったことを公開するから、絶対見に行った方が良いと思うけどね(笑)
自分が観た劇場で60代以降の夫婦らしき人が見ていたのには驚いたなぁ。
放っておくといつまでもダラダラ書いてそうなので、この辺で終わる。時間があったらもう一回みたい。
最後に一つだけ、エンドロールは本当に泣けたよ。
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コメント
コメントありがとうございます。
>七味さん
映画が全部「深刻な話」だったり逆に「バカな話」だったりしたら、困ると思うんですよね。「スピード・レーサー」が「スピード・レーサー」として失敗してたら文句言う筋合いもあるんですが(笑)他の映画だと思ってみた人にはお気の毒なんですけどね。私にはど真ん中だったです。
リアリティを上げすぎると逆につまんない。だってオートジャッキで走行中にジャンプするような車が主役メカなんですから。
>きぬのみちさん
こちらこそトラックバックありがとうございました。
今年は自分好みの映画が多くって困ります(笑)これからもよろしくお願いします。
投稿: Ja-bow | 2008.07.08 08:09
はじめまして、こんにちは。
誰か「スピードレーサー」のこと大好きになった人はいないかと検索してたどり着きました!
私は中盤から既にボロボロに泣いていました。
詳しく覚えていませんが、恐らく青いポロを着ているのを見た瞬間辺りではないかと思います。
ここまで原作忠実にして原作スピリット忠実にして顔そっくりにして、しっかりカーレースファンが納得のものになっているとは全く思っていませんでした。
「深い話じゃない」みたいな感想をみて私も「チャンと観たのか?」というか「字幕でみたの?読解力は?」と言いたくて堪りません。(って言ってますね。。。)
なにより「マッハ」や「チキチキ」や「ルパン」のおかげで大好きになったカーレースっていうスポーツをバカにされているようで。
お約束というか「マッハ」なら当たり前のことが何をしているのか全く分かっていない人は放っといて、分かる世代の人とオタク友達を誘ってまだまだ見に行きます!
投稿: 七味 | 2008.07.07 23:39
トラックバック深謝。
検索していたところ、同じことを感じた方がおられるのだなと思って、トラックバックさせていただきました。
これからも折にふれ愛読させていただきます。
あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。
投稿: きぬのみち | 2008.07.07 22:55