「ハッピーフライト」インプレッション
この映画はドラマという点では少し難があるのかも知れないが、これ以上の日本映画は今おいそれと撮れない。
今年は洋画もすばらしかったが、かなり力強い邦画もあった。しかし、その中でピカイチだと思う。あと1ヶ月ちょっと邦画ももう少し見るけれども、こいつ以上にうなるエンターテーメント映画は見られないじゃないかなぁ。
確かにCGやSFXに時間が掛けられていればとか(業界でもかなり速撮りの佛田監督だけれども、戦隊とライダーやりながらここまでやるんだけれども、仕上がりがイマイチのところが・・・)、関空のシーンと羽田のシーンが知ってると上手くつながんないなぁとかそういう惜しいところはあるんだが、そんなことは本当に些末に思える面白さだ。
パイロット、CA(キャビンアテンダント)、整備士、グランドクルー、管制官、オペレーションコントロールクルーのドラマが最後の方にまとまってくるあたりオーソドックスな群像劇なのだが、それよりも色んなシークエンスや決まり事、色んな事があって飛行機が飛んでいるという事が分かってしみじみする。そのしみじみ感が本当に並じゃない。段取りを嫌みに見えるようにしない本当に上手い作りで見せてくれる。
正直都合の良い展開もあるし、キャラがあり得ない感じの人も居るし、話としては予定調和だけどそのプロセスが良いと本当に見事な映画になるんだなぁと感心した次第。
顔を覚える役者の配役には隙がない。子役に至ってもそうだから本当に凄い。特撮方面からも女優陣が良い役で使って貰われていた。重要な役の肘井美佳(GAROのヒロイン、仮面ライダー剣の上級アンデッド)の毅然とした感じ、平岩紙(仮面ライダーアギトのあかつき号メンバー)の飄々とした感じちょい役なんだけどいとうあいこ(アバレイエロー・樹らんる)の美人ぷりもすばらしい(笑)
そして協力したANAには多分、知らないうちに「乗るならANA」の気持ちが観客に見事に芽生えてしまうと言う何にも代え難い恩恵があるに違いない。
だいたい15日も飛行機を1機貸し出すのがどんなに大変なことなのかはこの映画を見ればよく分かる(笑)JALとANAではこの手の協力の際にも何故かいつもJALがそんなことが多いなぁ。前にも確かテレビドラマで似たような結果があったけど、今年たまたま(たまたまなのかなぁ?)映画でもババ引いたのはJALの方だしなぁ。
とにかく、今年最後の万人向けおすすめになりそうな映画だった。
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