[2008雑感]おめでとう「クッキングパパ」
一番長い間単行本を買い続けている漫画単行本だと思う。(途中休止状態のガラスの仮面をのぞく)
始まった頃はバトルの無い料理物で、「シェフ」「美味しんぼ」等と比較されていた。出てくる料理が不味そうだとか、作っても不味いとか言われた。蘊蓄の構成なんてノは全然無いし、作者のうえやまとちの思いこみの産物的な物も多々あるし、しかし、何故かずっと読んでいる。
自分が好きな漫画にあげていたら詰られたこともあった様に思う。多分今はそんなことはないだろう。
この漫画は確かに料理がなければ成立しないので、毎週なにかかしらの料理が出てくる。ただ、それはやっぱり添え物で、日常を描く漫画だ。しかもなぜだか知らないがものすごく強固な余裕のある大人としての荒岩一味という主人公をまたも強固な大人が支えている、今となっては懐かしくも不思議なコミュニティの話だ。もちろん長い間で後付で説明はされているけど(笑)
この話の中には悪いヤツは出てくる。けど、結局は小物ばかりだし、多少のことにはめげないで主人公たちは突き進んで解決してしまう。過剰なほどの応援と過剰なほどの優しさでお互いを包んでいる。(この辺の構図が何かに似てるんだよね(笑))
そんな中で子供は育ち、もはや大学を卒業しようとしている。
ざっくり行ってしまうと泥臭くも美しいそんな愛すべき話だ。
今年単行本で100巻、連載回数で1000回を超えた。
緻密な話ではないから、色々不整合はある。
久しぶりに1巻を読んだら、初っ端からそうだった(笑)最初は多分けいこちゃんをヒロインに据えようとしていたのに2回目には全然フォーカスの当たっていなかった木村ちゃんが重要人物になる。親しかった人に大きな引き際のドラマを与えないで、あっさり死んでいく。でも、それは日常の中の話だったら逆に当たり前っぽいなぁと思うのだ。
うえやまとちはこの作品以外はほとんど作品がない。いや、「ばさら村」も好きだし、「ごっちん先生」もオレは好きだけど、一般には知られていないだろう。もしかしなくても多分この作品で終わりそうな人だ。だけれども、これだけの評価を得てるんだからそれはそれで良いのじゃないかと思う。
この話がどう閉じて仕舞い行くのか、それがいままでも、そしてこれからも楽しみだ。
だからこう言える。おめでとう「クッキングパパ」そしてありがとうと。
P.S. 自分が最初に試してみたのはコーラを使った肉じゃがだ。ただ材料の分量が適当にしか書かれていないこの漫画ではここから完成料理を作るにはセンスが必要。そのここから発展して砂糖を使わない肉じゃが(飴色タマネギの甘さで味付けする)も作ってみたけどなかなか美味しかった。"料理"の面白さや楽しさは十分に伝わってたと思うなぁ。美味しさは伝わってなかったかも知れないけど(笑)
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