「地球が静止する日」インプレッション
有名と言っても古典中の古典の「地球の静止する日」のリメイクだ。普通の人は知らない。地球が本当に静止するわけではなくて、"時計が止まる"事を意味した表題なのだが、マニアには有名なゴートというロボットや当時としては斬新な設定や話運びで記憶に残る作品だったらしい。
「だったらしい」というのは自分は残念ながら映画は見たことがいので、タイトルとスチルしか知らないのだ。知った時点でも古くさすぎてものすごくダサいゴートは、興味がなかったが記憶には残った。それからタイトルイメージは良いなぁと思っていた。確かにこのタイトルは他の作品での引用が多い。
さて。今回の映画を見終わって思ったのは。こいつを今年の締めの映画か来年初の映画にしなくて良かったと言うことだ。正直言って凡作以下。
まず、演出とシナリオが悪すぎる。おかげで役者の演技も変に見える。
オリジナルの映画を下敷きにしたと言っているが、現代的にアレンジしているのだから、その時点で問題があるエピソードの修正が出来ていない。そう思えることが多すぎる。そこにもってクラトゥの心変わりの部分を、パンフレットではこぞって「キアヌの演技がすばらしい」と言って、観客の意見を誘導しようとしているように見えるほど、"可笑しく"に見える。
例えば、最初に拘束されたヒロインが、どさくさに紛れて脱出するのだけど、最初から目をつけられて、ケータイも取り上げられて、閉じこめられていたのに、間抜けにも家に逃げ帰って、そこを探しに来ないものだから捕まらないとか、バカすぎる展開に唖然とする。
いや世間は混乱してますって絵面はあって、好意的に解釈して群も混乱していると読めなくはないんだけど、家に戻ってやってるシーンが料理で子供はのんきにリビングでテレビ鑑賞なんでのんきさが甚だしく、後にはヘリコプターでかっさらっていくなんてシーンがるんだから緊迫感も辻褄も全然無い。
この辺は本当に練り上げたのかと疑ってしまうような展開だ。
今となってはそんなに難しくない科学的事象や状況説明も絵でやらずに、説明的セリフ。ガッカリする。
クラトゥの体組織の説明の件、前後で脈絡無く登場する高名な博士との議論のシーン、それを元にした心変わりのシーン。紙芝居の裏書きかいってな感じだ。
同じプロットで、同じ流れでも演出とシナリオでもっと面白くできたはずだと思う。本当に残念だ。
見所のもう一つ謎のロボット"ゴート"は人型形態の時の動きが、テレビのバラエティに出てくるCGキャラのよう(カウントダウンTVとかのね)で、笑えるのもマイナスだろう。巨大感もない。この辺もなんだか詰めが甘過ぎるなぁ。(原作小説ではゴートの方が本体って言う示唆があったが、オリジナルの映画はどうだったのか?少なくとも今作はそうではない。)
ゴートの第2形態の襲撃シーンはかなり良いのだが・・・。
同じ風味の「ハプニング」なんてのを見てたおかげで、今年のオレの中の最低映画は免れると思うけど(笑)1日公開がずれている分でどれだけ稼ぎがのばせるかがキモだろう。東宝が力入れてるけど、1日前倒ししたのはこの出来の悪さの所為じゃないかとうがった見方をしちゃうほどの出来だった。
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