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2009.01.18

「ザ・ムーン」インプレッション

 名作「アポロ13」の監督ロン・ハワードが作った(提供名義)アポロ計画のドキュメンタリー、それが「ザ・ムーン」だ。

 出来が良いかと言われれば、「そこそこ」で全編感動的だが、たとえば打ち上げに何を苦労したとか、そんな話でもなく、「アポロ13」の元である事故や最初の人類初月面着陸の「アポロ11」の物語を詳細に追ったものでもなく「ドキュメンタリーとしてはどうか?」と言われかねない。

 ただそれ以上に多分僕ら世代以上の人には、感慨深さがあるはず。

 多分「アポロ計画の困難と葛藤」のようなものとしては、過去に作られた物の方がずっと良い出来のハズだ。

 今回は月着陸の6回、実際に探査した12人の内、存命している人たちの幾人かのインタビューで構成されている。

 いくつかの良い点は、NASAの映像を大画面で見られることとか(かぐやのハイビジョン映像みたいよなぁ)もちろん現時点で、彼らの回顧を聞けるのは確かに貴重だ。

 まだ、好景気感覚が残っていたアメリカで、作られたこの映画の狙いは「不都合な真実」風味の環境問題への気付きだったのか、ハッキリとは見えていなかったが、下降線だった経済を喚起するためのエールだったのかは分からないが、見ていて勇気づけられていく自分を感じた。

 個人的には「動画で見ると空気による遠近感の無い世界の映像ってのは面白いなぁ」とか思いながら見ていた。地上で絵を描いてる人にはああいう絵は書きづらい(笑)

 見ていて発言の中には「あれっ?」と思うところもないわけではないが、基本的には蛇足のエンディングさえなければと言うレベルに出来ていたと思う。

 「ムーン・リバー」は名曲だし、歌詞もこの映画にとっては意味深長だ。だから曲自身には何の悪いこともないとおもう。明らかに映像がとぎれた状況(ただの黒画面)で日本人の歌う意味を即座にとれない原語版「ムーン・リバー」を聞くのはしらけるだけだ。状況から見て日本配給側で思いつき許諾を撮ったのではと思うが・・・監督が最初から指示していたものにはとうてい見えなかった。もしそうであればふさわしい映像を用意していただろう。

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