「少年メリケンサック」インプレッション
色々おしい感じの映画だなと思った。
出来が悪いわけではない。キャスティングも悪くないし、「結局、人は変わらない」という視点を守った狙いも悪くない。笑うシーンもあるんだけど、ノリが足りない人間が見ると、凡作に見えてしまうのだ。
個々のギャグは使い古されたお約束以上の物がなかったし、すべての展開が予定調和的で、パンクらしい突き抜け感が足りなかった。
役者陣は良かったと思う。
今作の主人公かんな役の宮崎あおいは自分のイメージさせられるキャラの中だがさすがに安定していて安心感がある。佐藤浩市以外のメインキャラもおおよそ自分のキャラをそのままやっている感じだ。そういう意味ではうまいキャスティングで、良かった。
佐藤浩市の役は結構難しい役。彼だからこそこなしてるんだけど、そういう風に思わせないところも良い。ただ、コメディアンとしての彼は昨年の「ザ・マジックアワー」を見ているので物足りない。
個人的にはもう少し絵作りが出来ていると良かったと思う。予算の所為か監督のセンスの所為か、同じ展開と同じようなカットが意味無く繰り返されるので、展開が読めてしまい、笑えなかったり、「お!」と思えないところが凄く残念だ。この辺が特に凡作臭を感じるところかな。
舞台だとテンポとかもまた違うのでコレで良いのかも知れない・・・少し譲ってテレビだと良いのかも知れないけど、映画だと、集中してみてるからか凄くショボく思えてしまう。
全体的には分かり易いキーポイントの置き方や、後先関係ない展開などいかにもな青春映画フォーマットにうまくまとまっていたと思う。後味悪い余韻はあるけどブラックかって言うほどブラックでもないからなぁ。
自分はどの辺の世代がターゲットだったのかはちょっと分からなかった。20代から30代前半くらいかな?それより前はオジサンのがんばりはあまり面白くないんじゃないかな?それ以降の人間には映画としては全く物足りないに違いない。
ぶっちゃけて言うと金額的には前売りでそれなりという感じ。正規料金だとちょっとという感じだ。
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