「チョコレートファイター」インプレッション
川崎チネチッタに言ったら別館ですとか言われて、初めて別館で見た。リニューアルした時に外装は周りに合わせたけど、中は古い感じの劇場のままなのね。スクリーン前に舞台がある。しかも自由席(笑)
それから入場時にはm&mのタブレットチョコレートが配られてた。だからあれほど明治製菓だと・・・
さて、映画は個人的には◎をつけても良いくらいの○の映画だ。だが万人受けはしないと思う。
むしろ、反発を抱える人も多いだろう。本来あんな大劇場でなく単館とかに掛かりそうな映画なんだけど、なまじっか本国で大ヒットしちゃったんで商売上こうなっちゃったんだろうなぁ。
なんて言うか認められる前の洗練されていない香港映画なんだよね。映像がキレイなので機材は揃って居るんだろうけど、話やネタがそう思わせる。
見る前に謎だったチョコレートの件は冒頭の主人公の成長過程で氷解した。何故むさぼり食うのかそれを映像できっちり染み入らせるのはうまい。ああもチョコレートに執心していたら、普通は親が止めさせるハズなのにそうならないことがよく分かる。
でも、知的障害者である彼女が主人公である限り、日本ではメジャーには上げにくいと思う。そこが文化というか国の壁だろろう。
主人公ジージャーの演技はアクションだけでなく、この知的障害者(自閉症と公式サイトでは紹介している)という難しい演技もしっかりこなしている。すばらしい演技力だ。演技がほぼ初心者なんて信じられないくらいにうまい。蒼井優に感じる巧さと同じ種類の物だけど、子役たちも凄い表情してるんで、アレはどうやって取ったんだろう?と思ったドラマの部分や設定の詰めの甘さには疑問を感じるところもあるのだけど、それを力押しで見せていく。
その力押しのうなるようなアクションシーンが良い。
香港映画で昔よく見たようなシーンを見るだけで再現できることが主人公能力なので懐かしさがある香港映画アクションやムエタイから得た肘打ち膝蹴り、彼女の出自であるテコンドーの蹴りが惜しみもなく堪能できる。
ノーワイヤーでないことは見ていれば分かるし、エンドロール前にバラしているわけだけど、それでも凄さが全然変わらないのは、それこそ見れば分かる。死んでもおかしくない大けがをしてる。そこまで体を張ってることがとても画面から伝わってくるのだ。それが重要。そこに感動する。
宣伝で使われてる、夜景で飛び上がっての膝蹴りのシーンは、インパクトで当たってないように見えていたが実際にはその先があり、下から上への突き上げでなく一回上がりきって、上からたたきつける動作だったことが映画を見て初めて分かって、なおさら感激したし、見てて背骨が痛くなったり、足が痛くなったりR指定を掛けなくても良かったのか?と言うようなちょっと残酷なシーンもあって、この辺も懐かしい香港映画を見てるようで体が震えた。
この予告編最後のタイトルが出る直前の蹴りね。
アクション映画のアクション見てて涙が出てきたのって、いつ以来だろう?ジャッキーチェンの脂ののっていた頃以来じゃないだろうか?
清濁併せのむ事の出来る人には◎で紹介する。「チャンピオン鷹」を最期まで見届けられる様な人なら問題ない。そこに行くまでもないと思う・・・自分がクンフーアクション映画好きだと認識してる人にはお勧め。そうでない人にはなかなか紹介しづらい映画が、自分は思わぬ拾い物を堪能した。
P.S. この所為で来週公開の「ハイキックガール」にものすごく興味が出てきた似たような主人公役者の出自を日本だとどう料理して僕らに見せることが出来るのか?そこだ。確かに上段回し蹴りはキレイ。
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