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2009.05.31

「ハイキックガール」インプレッション(改)

 「チョコレートファイター」と同じ本当に格闘技が出来る女の子が主人公役のフルコンタクトアクション物というコンセプトで、日本でアクション物を作った感じと報じられていたので比較したいやら、どこまでやれたのやら気になった「ハイキックガール」。中先生も出てると知って、急に見たい気持ちがむくむくと頭をもたげて初日に行ってきた。

 でも、個人的事情で映画の話をする前にちょこっと今日行ったチャンポン屋の話を(笑)

 渋谷駅からシアターTUTAYAへ向かう途中、BUNKAMURAの角、はす向かいの円山町ホテル街に曲がっていくところにある「はしばやん」他の店はラーメンのチェーン店だがここはチャンポンと皿うどんの店でかなり麺を長崎から取り寄せたりと頑張ってる。

 最近のラーメン屋は普通が大盛のところが多くって心配したけど、肝心のチャンポンは普通の盛り具合で安心。けど横目で見たら堅い皿うどんは驚愕の盛り具合だった。

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 店の人はフレンドリーで狭いけど入りやすい。肝心の味はまぁまぁと言えるけど、もう少しパンチがあった方が好きかな。それと個人的にはやっぱ生卵じゃなくて錦糸卵かウズラの卵派だなぁ。でもそれは個性の範囲かな?

 で、シアターTUTAYAがユーロスペースの2階のことだったとは着くまで分からなかった(笑)

 映画は初回を見たのだが、他の映画の初日舞台挨拶があるってゲスト街の人が入り口にチラチラ。劇場内は夕方に初日舞台挨拶がある所為もあってガラガラだった。

 で本題。

 急に辛口ですよ(笑)

 まずタイトルに偽りありなのだ。この映画「空手中年」というか「空手師範」の話に後半成っている。中達也は演技者ではないけど独特の物腰でキャラが立ってるし空手の技は本物だからそこに不満はない。しかしこれでは「ハイキックガール」はただの露払いじゃないか。

 思うにやはり体重多分50kgあるかないかの小柄な女の子がどうあがいても体躯の良い人間に勝てるはずがないと言う制作側の正直さが出てしまったんじゃないかと思う。ウソでやっても良かったのにと思う。(どんな格闘技でも存在する体重ハンデはそれが半端じゃないハンディキャップだから存在する)

 というのはこの映画は最近権威が失墜している「空手」への愛がある様に見えるからだ。K-1が出て以降、あのルールの上では空手が不利なのだが、どうしてもただ蹴って殴るだけ以外の部分がよく分からないので、キックボクシングやムエタイの方が上のような印象を持たれやすい。そこを名誉回復しようとしてるのではないのかと意図がチラチラ見える。

 空手の型の意味や美しさについて言及しているところとか、精神面修養についてはなしてるところとかそういった点にそれを色濃く感じる。

 正直話はボロボロだし、中身もないし、葛藤も達成感も得ない話だ。正直言って面白くない。出張に出ている先生が、歩いていける滝で鍛錬しているとか(多分よく使っているから土屋もそこに行ける)、特に残念だった設定は興味深かったが「壊し屋」。

 バックボーンは冒頭に示しているので良い。

 中身の描き方が問題だ。

 個々の個性豊かな格闘者は面白い。本当にアクションが出来る人が混じっていて、動きもバリエーションがあって確かに楽しいのだけど、格闘を受ける方がJAEっぽいと言うか時代劇の殺陣っぽいと言うか、ケレンのある受けをする人が多いのでその辺どうにかならないか。

 性質上そこはリアリティにこだわった方が良いと思う。どんなに頑張ってやって、ハードヒットで受けていてもそれが伝わってこない。

 それから「壊し屋」は格闘だけでなく、銃やナイフを使う者が混じっている。

 復讐のために中が演じる松村を呼び出すのだが、鳴り物入りのボスが「かつて格闘で恥をかかされたので、実力で復讐するつもりだったのか?」と思ったら、実は銃使い(笑)で単純に復讐すれば良いだけなのに、まだるっこしいやり方をして、最後に銃を取り出し、しかも打つ前に当て身食らわせられて負けるとは(笑)笑うしかない。

 しかも大勢の「壊し屋」が控えているのに一人一人当たってみせるという、主人公思いの展開だ。

 こういった演出が良くない。

 一人一人(ペアを組む者も居たが)当たるならそこを妙に思わせないようにした方が良い。ありきたりな方法でも良い。

 「こんな野郎、俺一人で十分ですよ。」とバカが突っ込む。とか、劣勢になったところで助けに出ないのも「まぁ見ておけ」とぼすに言われて仕方なくだとか、「おまえには個人的恨みがあるからな」と15年前の話をいきなり切り出しても良い。お約束を使うだけであの棒立ちの集団を説明できると思うのだが・・・。

 加えて技をしっかり見せたいという思いからか、リプレイがあるのだがほとんど毎回あるので、くどくてしょうがない。しかも何回か同じカットを取り直してるので直前と技の軌道が違ったりするとそこが、またこっちを混乱させてくれるので困るのだ。

 出た時に「ぴあ」にアンケートを求められたのでご祝儀含めて65点にしたが、コレは企画を含めての話で、他の部分は5段階で3以下の満足度だ。点数なら45/100ってところ。

 主人公の女の子は前半の上から目線のキリっとしたと顔や最後の笑顔は良いんだけど、困った様な顔が凄く良くない。話の構成上後半ずっとこの顔なのでそこがものすごくマイナス点だ。

 個人的には空手の型ってやっぱり良いなぁとか、そういった点。何よりも格闘少女の企画自身は気に入ってるのでもうちょっとうまくやって欲しかった。

 でも、まぁ「チョコレートファイター」見た後ではそれでも辛い点数になっただろうけどね。

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