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2009.06.21

「レスラー」インプレッション

 冷静でいられなかった。

 映画そのものは良くできていたし、良いシーンもあった。

 しかし、あれだけの賞やノミネートをかっさらった映画としては物足りない。物足りないのだ。だがこの映画にはそれだけでない価値が自分にはある。

 アメリカンレスラーらしいヤバイドラッグやセックスの話もハードではあるがらしさの一部にしか成らない。このシナリオをニコラス・ケイジに提示したらそりゃ降りるだろぉ~と思ってみていた。

 すっかり容貌が変わって昔の面影を思い出せないミッキー・ロークは見事に落ちぶれたレスラーをやってみせた。ノースタントではないもののかなりタフなことをやらされていて、とても感心する。キャラクターにあった間抜けな男だがどこか憎めない。

 またケーフェーなシーンもカート・アングルが言うようにWWEほど綿密ではないブックは2割の打ちあわせに、8割の即興パフォーマンス、そこでどうプロレス頭を働かせ、実現するかがレスラーの才能と能力なのだ。そこで真剣に”プロレスする”のだ。それは多分日本でも変わらない。そこに焦点が当たっていて好感が持てた。

 映画の筋は少し分かりにくい心の葛藤があって、最後の部分は少し急いだ感じすら感じるのだけど、ROHの会場でファンの声援を聞いて出て行き、声援に後押しされていくランディを見ていたら、買ったばかりの週プロの三沢追悼号の裏表紙を思い出して、泣けた。
 コレは紛れもなくプロレスラーの話だ。

 斎藤彰俊の家に嫌がらせをするヤツが居ると言うが、そんなヤツをプロレスファンとは認めない。斎藤が殺したというなら、本当の原因は我々ファンの声援だ。三沢にプロレスを求めてきた俺たちの所為だ。それをしっかり受け止めろ。

 それがプロレスファンの原罪と責任だと思う。

 それを痛感した。

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