「十三人の刺客」(2010)インプレッション
打ち震えた。
「武者震いでござる」
見終えて高揚感から自分が武者震いしていた。
単純でなさそうで単純な対立構造、それが愚かな忠義と愚かな正義であることもリアルなら馬鹿馬鹿しい話だ。この映画の真骨頂は後半50分近くある大迫力のバイオレンスアクション。その壮絶さに至る仕掛けとしてのこの構図を、日本でも屈指の名優たちが演じるからこそ、そこが活き活きとしてくる。
主要な役者の演技には本当に隙がないが、島田役の役所広司が決意する寸前に笑い出すシーンが見事だ。あれが自然に出来る役者がどれほど居るのか。
時代劇の様式美でもなく、かといってリアル志向でもないバイオレンスアクション。三池監督流アクション。
堪能した。
それにしても予想以上のブラディで冷酷な映像だったが、終わりに向かって目が潤み、心が晴れて行くのが自分でもよく分かった。ヒーロー物はかくあってほしい。
原作(63年版)のファンにはシナリオの大幅な改変を含めて不評かも知れない。また血やバイオレンスが苦手にはお勧めできないが、個人的には今年の邦画ベスト1だ。
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