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2010.11.16

「海からの使者」インプレッション

 商業誌、商業ソフトもOKだったんだろうか?と思いながら2010/11/14のコミティアで「海からの使者」のDVDが置いてあったので購入した。

 のすふぇらとぅの作品はコレが初めてだが、確かに中途半端な職業アニメーターよりは上手いし、画面構成力もある。十分に楽しめる映像だ。

 ただ、見た目以外の感動がないとも思った。そこからの伸び代というか将来への期待が生まれなかったし、ネタは誰でも思いつくような物だからだろうか?次がみたいとは思わなかった。

 何となくだがこの作品で終わりなんじゃないかとそういう風が吹いているような気がしたからだ。

 この作品はある意味、商業作品よりも「その場限り」の感じが強い。

 のすふぇらとぅはこのアニメを6年かけて作ったという。コレを生業にしているわけではないので、次このレベルの作品を作り上げるのはいつになるのかも分からない。アニメは一枚絵や音楽とは違い、作業量が必要だから、どうしても時間がかかってしまう。

 次いつ見られるか分からないし、そのときコレより良い物を作ってくれる保証もない。確かに出来の良い物だが、こんな物で満足し続けられるほど現在のアニメのレベルが低いとも全然思わない。

 次がなければ。見る側はどん欲だ。

 昔の芸術品のようにパトロンが支援してその中で作品を作り続けているのでなければ、職業でなくて作り続けるということに持続性が現代でどう担保されるのかがよく分からない。

 そのためもあって頒布する道をつけたんだろうけど(そうじゃなければYOUTUBEのHD画像で無料公開でも良いはずだ)、コレがいわゆる彼の言うプロと何が違うのかというのもよく分からないのだ。

 無料の物と有料の物では自ずと評価の仕方が変わることは竹熊健太郎本人は重々ご存じのはずだと思うが。本当にそれで良いのと思うのだ。

 もっとものすふぇらとぅはそんなことは考えていないかも知れない。そもそもが内輪のアニメだったという。

 それもあって目をつけた竹熊健太郎が世に広めたがっているだけのように思うのだ。そこに何というかおためごかしというか、編集者のマスターベーション的な物しか感じず、残念な気持ちが自分に出来てしまったのだ。

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