「トロン:レガシー」インプレッション
「トロン」は1980年代の作品で劇中のCGが話題になった。
ディズニーが実写に転向しだした頃の作品でそこも注目を浴びた点だったように思う。
話題になったがあの頃はCGを描画することがものすごく難しく、パソコンレベルではどうしようもなかったしワークステーションを使っても気が遠くなるような作業だったに違いない。生まれたときからCGが当たり前の世代も入る世の中になって、普通の特撮をあのCGどうやってるんだろうなんて言ってしまう人もいるそうだから、隔世の思いどころではない。
ようやくワイヤーフレームからポリゴン描写と言ったことが出来るように成るか成らないかの頃だ。見る側は最初CGだと思っていたところが実は既存のアニメーション技術と実写の合成だったことが当時の特撮ファンにもアニメファン受け入れがたい壁だったように思う。特に日本では受けが良くなかったように記憶している。
だから商業的には失敗した。
その続編をディズニーが作ったのが今作だ。
最初に話を聞いたときにはなぜ?と思った。
しかし、同時に今こそ積年の恨みじゃないけど、「トロン」が作られる世界になったのかとも思った。
当時も格段にかっこうよかった訳じゃないけどライトサイクルは多くの影響を与えてくれたマシンだと思うし。色々ツボなシーンも多い。制作が発表されビジュアルが出され始めてからは必ず見に行こうと思っていた。
そこで見た上で言うのだが今作は企画は良かったが、物足りない作品になっていると思う。昨年同時期に大ヒットしたアバターほどの力はないだろう。
まずお話しが今ひとつだ。現在のアメリカの状況に照らして、横暴なデジタル世界への警鐘も鳴らしつつ、と言うのは良いのだけど、クルーが過去の敵と同じ位置に取って代わっての意外性以外、あまり意外なことが無く、それも前作を見ていないと気がつかないわけで、もう少し山が欲しかった。
それにハリウッドらしいファミリー向けの話だが、いくつか次回作を意識しすぎて、余計な仕掛け(トロンの復活とか妙に示唆的な表現なのに今作の中で解決されない)になっているところがあったりして消化不良気味だし、残念だ。
役者は誰も魅力的で、特に二人の女優はその美しさで魅せてくれるのだが、肝心の彼女らの周りの話が安易で、削がれてしまった部分が多い。
SFだが全体的にはファンタジーという括りがしっくり来る。
技術は凄い。これで3D表現がアバター並みだったら諸手を挙げて万歳してたかもしれない。
例えば、フリンというかクルーの若返りCGレタッチはものすごい技術も使っている。使っていのだが、そのすごさが伝わらないくらい凄い。最後のシーン以外、隙がなさ過ぎて分からない。老フリンが実年齢に近い役なのにもう何でもありだ。
今まで、短いシーンや若い人が老け役までやるってのは特殊メイクであったんだけど、CGでアクションまで吹き替えを見事にしちゃうんで、若返りが可能になっちまってるという恐ろしさだ。これは服装があの格好だとか色々抑える必要はあるんだけど、ターミネーター4のねつ造シュワちゃんよりさらにもう一段進んだ凄い技術だ。
3Dに関してはIMAX版(これように調整を掛けた)を見ていないので何とも言えないが、他のヤツよりはうまくいっているが、やはりレイヤーを重ねただけのこけおどし系の絵に見えてしまって残念だ。
今後に期待したい。
しかし、クルーと親父のフリンはこの映画から退場したけどアランは残ってるし、トロンも残った。興行収入によって決まるとは思うけど3はやるつもりだよね(笑)
P.S. 推敲した割には駄文だ。
P.S.2 オリジナルグッズにiPhone用カバーがあるのがうらやましい。
P.S.3 クオラかジェムをください(笑)
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ジョセフ・コシンスキー監督、125分、2010年12月17日公開、
2010,アメリカ,ディズニー
(原作:原題:TRON: LEGACY )
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