2010年国内映画興行収入発表
今年もこの季節がきた。
元のデータはこちら。(社)日本映画制作者連盟の日本映画産業統計の公開情報を見られたし。
<http://www.eiren.org/toukei/index.html>
データを見ていて、色々読み解けるので毎度面白い。
入場者も増えて、収入も増え、客単価も上がっている。客単価は3D化したことなどによる値上げの所為だろう。しかし、公開本数は減り、洋画邦画とも単独スクリーンは減りシネコンプレックスに依存している様子が分かる。
また、邦画は東宝が圧倒的で、東映は子供向け番組の劇場版に依存していて、これは今年も変わらない。暮れの「相棒」がどれほど伸ばしているかだが低予算でこれだけ稼ぐライダーは、なかなか止めづらいだろう。今年もまだ「電王」はよみがえる。
暮れに公開された映画は正確には反映されないので、大作が本当にどのくらいなのかは来年の今頃でないと分からない。しかし、リストだけ見て邦画で本当に評価出来る作品の少ないことには驚いた。
テレビのスピンオフだとか続編とかで大半が占められ、しかもそれをさっ引いても内容を誉められる物は…個人的にはこの10億超えの中で他人に勧めると成れば、7位の「告白」、16位の「悪人」、19位の「十三人の刺客」、26位の「ゴールデンスランバー」くらいしか思いつけない?レベルの高さと商売が上手く繋がらないのは本当にもどかしい。
60歳以降になると「映画館で映画を見るのが辛くなる」と映画好きの人に聞いたことがある。そもそも外に出るのもおっくうだが、どうしてもトイレとかイスに長時間座っているのが辛いのだそうだ。だったらテレビで待つよと。
実際の統計上はどういう傾向があるだろう?人口は多いのに山はもっと下の方なのじゃないだろうか?この辺にも一つブレイクスルーがありそうなのだが。
それから洋画はここ数年どんどん凋落していく感じだ。もっとも映画の傾向は似ていて、漫画や他国の映画のリメイクが多く、オリジナルのアイデアが乏しい。しかし、オリジナルのアイデア映画が上位に来ているのは頼もしい。
1位の「アバター」は自分の中で現在、唯一、3D上映技術が堪能できる映画だ。上位に3D上映の作品が並ぶが、この映画を見た後では画面設計が甘い。生かし切っていない。
この中で観た映画では、他におすすめしたくなるような映画は3位の「トイ・ストーリー3」6位の「インセプション」12位の「シャッター アイランド」・・・あ、「サヨナライツカ」は洋画系なのか。
映画会社は実際は日時や週次のランキングの変化も見ているだろうし、同じ傾向の企画がどうなっていくのかとかも見ているだろう。
「硫黄島からの手紙」が絶賛された後に雨後の竹の子のように企画だけは次々と挙がったが、発表されながら実現した物は少ない。本当にビジネスとしては機を見て敏の世界で、良い物であれば売れるという現像が通用しないことをまざまざと見せつけられてしまう。それでも、続いていて貰わないと、ご褒美は落ちてこないからなぁ。
過去の関連エントリー
2006年映画興行収入発表1stインプレッション
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2007/01/20061st_9f3f.html
2006映画興行収入2ndインプレッション
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2007/02/2nd_83cd.html
2007年国内 映画興行収入
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2008/02/2007_990e.html
2008年国内映画興行収入発表
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2009/01/2008-6604.html
2009年国内映画興行収入発表
http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2010/02/2009-3201.html
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