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2011.02.06

「KG カラテガール」インプレッション

 気づく人は気づくと思うが先に、この情報だけ入れておこう。

 全編通して、中達也のアクションシーンだけ妙な緊張感がある。受け手のレベルが高いのもすぐ分かる。不思議に思っていた。(コレは「ハイキックガール」も同じ)

 このシリーズはコンタクトするアクションなので入念に段取りを決め、練習をして再現している。

 ところが、前作などのメイキングを見た人なら分かると思うが中達也当人はお茶目な一面のある人なのだ。この人は手加減しているものの迫力を出すために全力を出しているこのアクションシーンでアドリブをするのだ。悪い言い方で言うと不意打ち(笑)

 西プロデューサーは「危ないので、この人の技は全日本クラスの人じゃないと受けさせられません。」という。さもありなんである。アドリブに対応するための緊張感とメンバーが全日本クラスになってしまったが、故の画面からの緊張感だったわけだ。

 その辺も楽しみに見ると良い。

 では、他の話。

 舞台挨拶があった回だったので、空手関係者も多く、見るだけで、体躯や所作が違うのでよく分かるがその辺りに高揚感があった。

 この映画では明示的には語られていないが「型稽古」の重要性を訴えるところなどは以前の空手シリーズとお同じだ。その考えが元になっているのでたとい悪役でも空手の所作、礼儀は見事にこなしてくれる。

 しかし、「KG」はまだ未熟な映画だと思った。アマチュアの映画ではないがお話はないに等しいし、ありふれた復讐物だ。シナリオと言うよりプロットなのだろう。心の動きが納得がいかず、妙に感じてしまう。アクションを見せるために話をシンプルにするのは良いのだが、工夫がまだまだだ。

 また実質二人の監督が居る状態なので、演出も妙だった。芯は同じようなのだが、カットカットのつながりが物理的に首を傾げたい間があった。まあコレは編集作業の話だろうが、本編でも妙に大芝居な人とそうでない人がまばらにいて、この辺は役者の所為かどうか分からないが、統一感に書いた感じだった。

 それから今回もアクションそのものは頑張っていた。しかしダブルヒロインの飛松は今作がデビューと言うこともあって、物足りない。遠慮が見える。コレが消えるとずっと良くなるだろう。

 逆に言うと一つの色でキレイに染めていくことが出来たら、プロデューサーが望んだ「日本発のアクションスターの居る映画」になると思う。頑張って欲しい。

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