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2011.03.06

「Project A」インプレッション

 ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウのあれではない。もちろんあれは何度も観たほど好きな映画だが、あれのことではない。

 文化庁の「若手アニメーター育成プロジェクト」で生まれた4本のアニメの映画放映版だ。

「PROJECT A」
URI= http://janica.jp/pja/main.html

 何で観たのかは二つ理由がある。一つは単純に若手が誰だか知らないが、めずらしい動きを見てみたかったことだ。もう一つは絵を見た時に、この4つの話で"お化け"が出てくることを知ったからだ。

 実際に観てみると、オープニングの「キズナ一撃」以外はすべてお化けの表現が関係している。

「キズナ一撃」

 めちゃくちゃ強い少女格闘家の話という設定と絵柄から想像のつく展開と中身だった。連続物の第1話の体裁を取っているけど、話はこれ以上広がり様がない。ネタとしても使い古された感じだったが、最後の格闘のシーンなどに垣間見える動きが気に入った。

 見やすいけどOPのCGの方が面白かったという記憶が残るのが問題だと思う。

「おぢいさんのランプ」

 新美南吉の同名作品が原作。いくつか食い違うがほぼ原作通りなのでは?

 しかし、個人的には主人公の気持ちがよく分からないし、演出上意味の分からないところ(火付けに行くときに雪の中堀川にわざと降りて走り出したシーン)があって残念だった。

 物の考証は出来ているのだろうか?とかものすごく気になることが多かったアニメだ。
 途中山道を歩く際に百鬼夜行のような物が見えるシーンがある。古くさい解釈だが、原作付きで既成のイメージが大切なのだからそれもありかと思った。

「万能野菜ニンニンマン」
 個人的には好きな部類の話だけど。これ以上広がりようのない話でコレも残念。

 大嫌いなニンジンとピーマンと牛乳を体内に入れると体内に入っている間だけ現れるニンニンマン、ピーマン、ミルクの三人のお化けが助けてくれるのだが、話は都合がよい物のテンポが良くて良い感じ。

 レイアウトも良いし、普通によく動くアニメだった。

 ただ、今も子供の嫌いな野菜がニンジンとピーマンなんだろうか?とか素朴に疑問だ。おいらはこの二つの野菜は好物に等しいからなぁ。生は辛いけど(笑)

 あと、パパ役の人の演技が酷くて困ってしまった。

「たんすわらし」
 和だんすに住み着いたわらしの姿をしたお化け達が主人公を助けて独り立ちさせる話。ウチにも欲しい(笑)

 一番面白かったしすべて上手くキャラが動いていて良かった。

 刀自に仕えて、時代の刀自を一人前に育てるというのも面白い話。オチもなかなかだったが、最後のランニングシーンのアニメーションが良い。顔はかなりのデフォルメなのだが、ああ、居るよこんな感じの人という感じだし、体の動きが自然さを醸し出していて本当に良かった。

 しかし、首都圏で興行が苦戦しているようだ。もう少し観てもらえると国の助成が進むかも知れないのだが。

 その上で非常に面白いなと思う。4作品に3作品ウチ二つは明らかにそれが出なくては話が構成できない状況で「お化け」が出ていることだ。作り手のニーズなのか観る側のニーズなのか。

 いずれにせよまだ切り口はあ有ると言うことなのかも。

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