「GANTZ PERFECT ANSWER」インプレッション
実は「パーフェクトアンサー=満点」とはとても言えない終わり方だ。
でも嘘は言っていない(笑)
原作未見の自分も複数の玉が存在し、壮大である原作ではあり得ない終わり方だというのは知っている。
それに閉じた世界の中でも、たとえば「GANTZ」の正体について知りたかった人はさぞや肩すかしで落胆したかも知れない。その点については批判めいたことを言う人も多いだろう。
ただ、その謎はこの物語にとってそんなに大事なわけじゃない。
自分はこの映画の結末は「ベター」な選択肢だと思った。それで、それは容易に想像できる内容だし、そこに至るいろんな部分もありがちな物語の記号の集合体で意外性も乏しい。
だからその辺へのツッコミや評価が低いのは仕方ないだろうと思う。
でも、この後編は「黒服星人」との戦いがメインで、アクション押しの映画だった。これだけの映像を作りきって、日本のSFアクション物にありがちな嘘くささが無かったことは本当に賞賛に値する。その点は誉められるべきだ。
少しでも前を向いて少しでも希望を持って行く、そういう「ヒーロー物」として非常に良くできていたと思う。
だから最後のもたつき以外は「面白かった」。
さて、物語は記号の集合体で容易に推測できると言ったが、作劇上、面白いなと思ったことがある。
見終わった人の多くは前編のラストに現れた山田孝之演じる公安の男はかなり多くの人が「なんで出てきたの?」と思うだろう。何もして無いじゃないかと。
しかし、彼無しで話を作ると、結構、妙な話になる。このキャラクターで話を進めるための情報補完されていることが意外にあって、居ないとこれだけの時間で話をまとめられなくなる。
彼が右往左往してる、質問したり、首を突っ込むだけで、説明的台詞でなく自然さが出る。
それに外での最後のシーンは彼が動いてなければ出来ないわけだから意味はあるのだ。いきなり警官隊が出てきて発砲する方が妙に思えるだろう。
そういった意味では全然妙でない。山田孝之である必要があったかと言われれば別だが(笑)
それからGANTZ自身の謎より不可解なことが「たえ」の償還だ。いや、償還されないんだけど、何のために彼女を殺そうとしたかが最後まで謎のままである。
卒業生でもなく、能力も高くない彼女をGANTZ側に連れてこようとしたのか?それとも画面に現れない秘密があったのか?
原作にも同様のミッションがあるようだけど、さてどんな話だったんだろう?
自分はもともとはGANTZ側に連れてくることで玄野の使命感をあおろうとしたのだと思うけど。
この映画日本テレビ側のチームは「デス・ノート」「20世紀少年」のチームと何かに書いてあった。目も当てられなかった「デス・ノート」からそこそこに見られる内容になった「20世紀少年」になったと思っていたけど、もう一つ上には行けてるように思う。
後は原作無しでこういうことが出来るようになったら本当に素晴らしいのになぁと思うのだが。
それにしてもアクションを堪能した。見事なエンタメ映画だ
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