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2011.05.30

「プリンセス・トヨトミ」インプレッション

 ご当地ムービーとしての責は果たしているし、素朴にあの人にあふれた道頓堀、戎橋に人っ子一人いないというのは面白かった。さすがに合成したシーンもあるんだろうけど、人払いで作ったところも多いそうだ。

 けど、単に映画としてみた時に腑に落ちない事が多くて、特に最後の結末について、腑に落ちなくて、今でも引っかかっている。

 早速原作を読む羽目になったのはそのせいだ。

 以下、最終シーンについて言及してるのでネタバレ嫌いな人は引き返されたし。
















 豊臣秀吉の末裔が生きていると信じて、「大阪国」を守り抜く者たち。とその秘密を暴く3人。それは緊張感もありながら最後までハートフルな展開でこのみのネタなのだが、松平が銃で撃たれ負傷したことを、「我々の負けだ」で片付け、それによって事の片が付いたことを真田が劇的に喜ぶのはどうしても変に思える。こういうシーンのためのキャラチェンジを思わせる演出は、映画ではどうも好きじゃないのだ。

 全体を見渡せば面白い演出もある。

 でも特にラストに掛けて後半はだれてしまった。冗長だ。

 顔のアップと台詞だけで見せることの出来る人の演技は流石なのだが、なんか残念な感じに仕舞われていくのだ。

 特に冒頭は倒置法のようにクライマックスの無人の大阪から始めただけに、そこに来た際にほとばしるようなシンクロが、もっとビジュアルでガンガン伝わってくれると嬉しかった。

 後半が冗長に思うのは終わるタイミングが何度もあるのに、そこで終われないところが原因だと思う。

 自分はダイスケの登校シーンのスカートめくりで終わっても良かったと思う。

 その後のことはエンドロールで流して、十字架のシーンをエンドロール後のオチにする。普通はそれで良かったはずだ。その方が収まりが良いように思う。

 それが出来なかったのは大坂夏の陣を前の方に持ってきて、思わせぶりに逃げないシーンを作ってしまったからだ。

 こうしたのは堤真一に二役やらせて、それをエンドロールでネタバレして見せたいという欲求じゃないだろうか?そうすると逆算してそこまで本編中に入れて置く必要が出る。

 しかし、原作にもそういうシーンがあるのかも知れないが、映画としてはオミットして良かったはずだ。内容的にも全く重要でない。

 監督やプロデューサーはおそらく思いついたことを出来るだけたくさん見せたかったのだろう。しかし、それは自己満足に過ぎない。基本的には演出の流れと整合性を優先した方が良い。蛇足だ。

 おかげで一番盛り上がる、力の入った対決シーンからが長くて、エンドロールでは見事に冷めて観ていた。

 もう少し練って欲しかったと言うのが正直な感想だ。

 原作は今日読み始めたが冒頭から人物配置が違う(笑)まあ、綾瀬はるかを観たくて行った人間が言うのも何だが、鳥居、オッチャンやん!(笑)

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