「ハンナ」インプレッション
「ハンナ」は有り体に言ってしまえば、特殊能力(と言うほど大げさでないものもあるが)を持った少女がエキスパートな大人を殺しまくる話だ。
この手の話は1990年の「ニキータ」当たりから有るし、目新しくはない。しかし、この1年くらい振り返ると洋画、邦画ともに似たシチュエーションの映画が並んでいて、”何か”が有るんだろうなと思った。
例えば昨年末の「キック・アス」のヒットガールとも母親殺しの相手への復讐という点で設定がかぶる。
それでも見に行ったのは主人公が「ラブリー・ボーン」の可愛そうな死に方をした主人公をやっていた娘だったからだ。あのどちらかというとおっとりとした華奢な感じの彼女が、どういう風になるのかは興味があった。
後は演出の力が重要なのだが。
どうだっかと言うと色々惜しい話だった。種は蒔いたけどあまり世話をしないタイプの話。言い換えるとマクガフィンだらけの話で、主人公や周りの人に同情しないのでこみ上げるような物は無い。
例えば、主人公は本(百科事典的なモノ)からの知識とグリム童話からの知識、過酷な環境下での戦闘訓練やサバイバル能力などについては充分すぎるのだが、社会を知らないので文明に順応するのに時間がかかる。逆に好奇心旺盛なのでそこで失敗したりする。
特に音、音楽に対しては、非常に反応するのだが、途中でこの話がどっかに行ってしまったのは残念だった。
話も大筋は了解できるのだが、後で秘密がバラされるので、彼女の能力に途中は首をかしげながら見る事になる。
全体的な印象はアンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」に似ている。その少女版だ。
もうちょっとスッキリというか、腑に落ちる話だったらなぁと思った。
しかし、主役の娘シアーシャ・ローナンは良い。これからもいろんな役にチャレンジして欲しいモノだ。
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