「麒麟の翼」インプレッション
「新参者」シリーズはドラマも原作も見ていないが、東野圭吾のことだから間違いなく原作は面白いだろうと思い、阿部寛も好きな役者だと言うことで見ることにした。
いや、そして何より自分が大好きな日本橋の「麒麟像」が関係するこの映画は必ず見に行くと決めたのだ。
「泣かせ」が上手い東野圭吾の小説だが、今回も途中から分かり始める状況に心揺さぶられ、そしてそれぞれの善意がエゴと化して絡みあいドンドン辛い状況に成っていく様に、涙した。
そして、麒麟像も安易にあの麒麟が選ばれたわけではないことが見事だ。
麒麟像は自分なんかはウルトラマンのドドンゴから入ったので子供の頃は羽が生えている物だと思っていたが、本来はないものなのだ。「帝都大戦」で帝都防衛の為に作られたものとかまあ色々あったのだけど、あの羽を付けた願いが、全編を支配していくことの展開がたまらない。
もちろん原作もそうなのだろうが、それを再構成して、映像でチャンと再現して見せた脚本家と監督を誉めたい。
また、見慣れた日本橋の町並みを見て、ああ、あそこは確かに人に分かりにくいよなとか、あそこのあれは美味しいよなとか、はいばらの和紙で折ったのかとかそんな気持ちになった。
お化け者としても、水天宮の河童が解決の糸口になったり、七福神巡りが絡んでいたりニヤニヤしてしまった。
追伸
冒頭の鶴のシーンは小説だとあまり意味を見いだせないのでやってないだろうと思ったら、どうもそのようだ。しかし、あのシーンは絵になる。被害者の青柳の心があのシーンに凝縮されていて、こういう改編が映画ならではだよなと思った。
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