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2012.02.08

「ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵」インプレッション

 自分は原作を読んでないので、個人的には原作好きの人にどう映るかは気になるところだ。良くできているが「こんな物か」というのが正直な感想だ。

 こいつは人物も2Dだけではなくて、モーションキャプチャーで3Dのキャラクターも動かしている。この部分がかなり弱点だ。

 でも、強みでもある。

 CGはのっけの鷹とか、動きがもろ機械的だったり、モブシーンも細密な物がたくさんという感じはするが、ちょっと古いゲームのイベントムービーぐらいの質感だった。背景の絵もそれなりに凝っているが、劇場用としての期待値は超えてないし、構図的に(多分CGとの合わせの問題で非常に限定的な構図が多い)ワクワクしない。凄い絵のベルセルクのアニメ版という印象だけは持っていたので残念な感じがした。

 ただ、この3D格闘シーンではものすごく良い効果が出ている。この辺は確認したい人は劇場で確認されたし。剣も良いのだが、取っ組み合いのシーンはちゃんと肉体が描けていてそこにリアリティがある。今までここまでちゃんと体が描けてるアニメは見た記憶がないので、この点だけは効果を上げていると思う。

 こういうシーンは大事にして欲しいし、コレを誰もがやれて、味が出せるようになったらしめたものだ。

 問題は現時点で3Dシーンでアニメを作れる人が少ないことなんだと思う。カメラを意識した絵作りが出来てないなぁといった印象なのだ。(良いシーンもあるだけに残念。)

 で、物語は序章だし、驚くようなアイデアがあるわけでもないので、その辺も辛い。それに最後のイベントの部分が、今ひとつガッツの心情がよく判らなかったし(もうちょっと、結びつきの強さが出るように前準備した方が良いように思うんだが、さじ加減は難しいだろうな。原作を読んでる人は脳内補完が出来てるかも知れないが・・・)、陰謀とかもありがちな展開で、思い入れが無いので物語は「こんな物か」という感じだった。

 日本のアニメに3DCGが取り入れられ始めた頃から思っているけど、3DCGのオペレーターでなくアニメーターを養成しないと外には撃っていけない。その点は海外の大作アニメには全く負けっぱなしである。(戦隊やライダーの安い3DCGで満足してるヤツが何言うかだが、日本の映像はアニメが引っ張ってきたのに停滞してる部分には本当に気になるんよ。)

 音楽も劇判、主題曲ともに良いのだけど、どうも浮いた感じがしちゃうのも今作の特徴だ。

 本当に原作好きの人の反応が気になるアニメだなぁ。

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