「サルベージ・マイス」インプレッション
前売りが買えなかったので、それならと舞台挨拶の席が空いていたので滑り込んだ。
映画は広島ご当地物っぽいがいかにもな観光的シーンは作らず、あくまでアクション主体のヒーロー(ヒロイン)物だ。
監督の田崎竜太は仮面ライダーや戦隊で成らした、格好良い映像の取れる人という印象。ただ、オリジナルの映画だった「GAMERA」では終盤の不可解な演出などがどうも自分には伝わらず、困惑させて貰った。
脚本は田口恵、「GARO」なんかで名前を見かける人だがちょっと印象がない人だ。
プロデュースとアクション監督は西冬彦、Pとしては「少林少女」「KG」、監督としては「ハイキック・ガール」がある。個人的には「少林少女」から知った人だが、早稲田の怪獣同盟出身なのかな?監督の田口竜太、仮面ライダーのプロデューサーの高寺、塚田の両氏とも親交があるようだ。
ただ、西アクション監督の絡んだ映画は3つとも復讐の物語で、これが正直古くさいし、空手を好きすぎて、格闘少女というアピール度満点の素材を使いながらも嘘がつけず、嘘つくとそのシーンが嘘くさく見えてしまう弱点があった。
リアルコンタクトは得意だけどファンタジーな演出が苦手な印象だ。
少林少女の時は割とオブラートに包まれていたのだが、ハイキック・ガールでは主人公だったはずの武田梨奈が後半とりこに成って、中達也がヒーローになってしまうし、KGでも、後半は二人がかりでないと敵を倒せない状況になっていて、トドメのシーンもそこだけ浮いてる感じだ。(この辺の流れは話的にはもっと納得がいかない流れになってる。)
ただ、今作ではその辺のゴニョゴニョしたテイストはある物の、上手く絵に治まってる感じに思う。この辺りは田崎監督や主役の谷村美月が検討して、格闘的ではないけど上手く処理が出来たんではないかと思う。
ただ、実際にあの立ち回りが出来る人が少ないからだろうが、他の作品と顔ぶれが変わらないので、ああまたとかそういった感じは否めない。今回もボスはリチャード・ウィリアム・ヘセルトンだった(>_<)いい人なのに!!
KGで武田梨奈の妹の紅菜月役だった飛松陽菜は金髪でイメチェンして出ていたが、この辺は好感。
今作は谷村美月もそうだが空手少女の長野じゅりあがやはり良い。型出身なのと今作は当てない演出なので、おやっ?ていうシーンはあるが、はつらつさとスピード感があって良い。
で、今作はもう一作くらいは見てみたい設定だった。都会でも良いが、西プロデューサーの出身地、鹿児島とかも面白いかも。ああ、でも路面電車の絵面はもう使えないかな?
あとはせっかく見いだした長野じゅりあとかの活躍の場が何処まで広がるかだなぁ。日本から世界に通用するアクションスターをってのは偽りなき西さんの悲願だと思うし。
そういう意味では、やっと一般受けしそうな映画に仕上がった「サルベージ・マイス」は、もう少し世間の目を集めて、次のステップを上って欲しい。
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