「テルマエ・ロマエ」インプレッション
この映画は幸せであり、しかし、同時に不幸な映画であるかもしれない。
映画の前半は原作の１～2巻の再現を狙って、よく出来ているし、後半の展開もかなりトリッキーな演出もあるんだが、映画として成立させるための良い物だと思う。
おおむね全体の絵も悪くはないが、この悪くはないの部分がやはり不十分だ。
映画でなぜテレビドラマの構図になるのか。
これは撮影監督のせいなのか監督のせいなのかはわからないが、そこが口惜しい。たまたま使えた大作「ＲＯＭＥ」のセット。プラシド・ドミンゴの歌声の使用許可、阿部寛という名優の主演キャスティング、本当ならもっと振り切って、えぇ？と思うようにしても良かったはずだが、どうにもこうにも絵面がいまいちに終わったのが残念だ。
ただし、前半の日本のシーンは悪くない。
壮大感が足りないのだ。
とはいえ、予想しただめなレベルは遙かにクリアし、傑作とは言い切れないが十分に笑い楽しんだ。安心した。
あと、一巻ぐらいは読みたいなぁ。原作も。
P.S. 上戸彩は新しい魅力というか良い役者（上戸彩を演じる）にもなったと思うが、長澤まさみが「モテキ」で発揮した新しさには遠く及ばなかった。彼女の魅力は本当に不思議なラインだ。よくわからない。他の人には出来ないと思わしてくれるそんな魅力があると思うのだが。
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