「Another アナザー」インプレッション
つい最近、アニメ化もされた小説の実写版だ。
角川映画は元々は角川の小説作品などを映画化して、興味を持った人が原作を読むと言う流れでの相乗効果を期待したものだ。そういう意味では狙い通りの出来になっているのではと思った。
と言うか原作を買った。
作品としては良い役者を投入しながら、どうも薄っぺらいと思ってしまう。予定調和的な展開に見えてしまって、良い意味での期待を裏切られない。多少アニメやドラマを見ていれば、パターン化しているようにしか映らないだろう。
もし、主人公の動機や行動原理をパターンで見せたくないなら、教室のあの窮屈さはもっとこれでもかとストレスを与えた方が良いし、図書室の司書も、人形師もあれくらいのストレス供給者では物足りないのではと思った。
そうでないと合宿での恐怖へ皆が駆り立てられていく件<くだり>など、どうも型どおりにしか見えない。あそこは皆が他人を殺すほどに心神喪失するほどの状況に追い込まれないと思っていたのだ。
この映画の救いは橋本愛の存在感だろう。「告白」で認識した彼女は、「MM9」でいよいよ良い感じだとわかり、その後も動向が気になる若手女優だが、この夏は特に作品に出過ぎの上に、演技技量がまだまだなので、どうなるのかと思っていたが、スクリーンでの存在感は出せていたと思う。
それにしてもこの物足りない感じは原作のせいなのか、演出のせいなのか、それともR指定やPG指定を避けたい、裾野を広げたいという配慮なのか。
もうちょっと突きぬけたものが観たかった。
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