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2012.12.31

映画が楽しかった2012(洋画編)

 では洋画を振り返る。

 一番という物を決めざる得ないなら、観たばかりで印象も鮮明な「レ・ミゼラブル」をあげる。
 古典の鉄板のドラマとテーマもだが、舞台劇の制限を逆にプラスに変える演出・・・歌主体の台詞を昇華するために同録の敢行も決断がすばらしい。加えて映画ならではの変更点、アップの多様と場面転換の空撮やもちろんヒュー・ジャックマンのとんでもない減量と増量など意気込みも感じる映画だった。

 最高の歌手ではないかもしれないけど歌も予想外に皆上手いし流石だ。変に逃げてた演出が多いミュージカル映画の力を再認識させた点でも評価をしたい。

 「レ・ミゼラブル」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/12/post-3865.html>

 それ以外ではまず、「ダークナイトライジング」が良かった。「ダークナイト」の様な突き抜けた凄みはなかったが、観る者に不屈の闘志、頑張る力をよみがえらせてくれる。応援歌的クライマックス、あの展開は頼もしい気持ちと自らの鼓舞という点でも心躍る。ヒーロー物では今年一番推したい映画だった。

 「ダークナイト ライジング」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/07/post-eeb5.html>

 今年も典型的ヒーロー物が多かったけど、世情に合わせてか、救世主的なヒーロー、ヒロインを求める流れが多かったように思う。「アベンジャーズ」でのキャプテンアメリカの存在は導いてくれる者の象徴に思うし、「スノーホワイト」や「ハンガーゲーム」は映画のパワーが足りないけど、虐げられた者達(しかも女性)の反逆だし。

 「レ・ミゼラブル」的なヒーローの置き方で言えば「ソハの地下水道」も虐げられた者達の話だった。

 少なくとも映画制作者の中では世界的にそういう状況からの脱却テーマが受けると見てるんだろうと受け取った。こういうハリウッドのセレブ目線の俯瞰はカチンとくることも多いのだけど、実際2012はそういう点でも世界的に色々あった年だ。

 この中で「ソハ・・・」は地味な印象だが、見始めたら飽くことないサスペンスベースの話で、面白さも実現している。社会派の映画なので生々しさも伝わってきた。

 「アベンジャーズ」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/08/post-76bf.html>
 「スノーホワイト」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/06/post-decb.html>
 「ハンガーゲーム」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/10/post-77af.html>
 「ソハの地下水道」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/09/post-eafd.html>

 逆にその辺をチクリとやりながらも、バカでぶっ飛ばし、前向きな姿を見せることで成立させた映画もある。「アイアン・スカイ」はナチが月に逃げていて再臨するという荒唐無稽すぎる映画だが、主人公が結局地球の主にアメリカの自由にあててられて、最初の目的を忘れて?ナチの理想を忘れたりさらに暴走したりする者が出るというところが面白い。

 もちろん現在の世の中が良いわけでもなく資源利権の奪い合いで宇宙戦争が始まってしまうなど意外に深い?指摘も含んでいる。

 ラストで月面ナチの古い考えの面々にレナーテが見せつけながら、アメリカ人で黒人のモデル、ジェームス・ワシントンとキスするシーンはそんな状況でも"自由"を求めようとすることを是としている表現で、なるほどと共感した。

 音楽もライバッハの曲はとても心地よい。バンドのテーマ性に合っている。国産のCDが出ないので、輸入盤に頼らざる得ないのが残念だ。国外で映画がヒットして続編が見たい。

 「アイアン・スカイ」インプレッション
 <http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/10/post-eb36.html>

 残念なことに映画のテーマがどんなにすばらしくても面白いと思わなければ見に行くことすらない。売れないと商業ベースでは求められてないと判断される。次に続かない。その辺のことはとても重要で、宣伝という行為も含めて映画というイベントなんだなあと思った。

 また、世情という意味ではかつての大国が力衰えながらも頑張っているというメタファーを含んだ映画がここ数年、目に付く。「スカイフォール」はそれを007というキャラクターに投影しながらもまだまだ捨てたもんじゃないだろと言うっているように思えた。「シリーズ最高傑作」には賛同しづらいが、冒頭のアクション最後の決戦、それ以外にも見所満載で3時間にも渡る間飽きない傑作だと思う。

 また念頭に観た同じダニエル・クレイグ主演の「ドラゴン・タトゥーの女」も良かった。今作はダニエルよりもヒロインのリスベットの存在感がすばらしく、続編が期待されるものの監督降板などで次が見えないのが残念だ。

 これ以外にも面白い作品はあったし、観られなかった作品も多い。前からそうだったのだろうが、これほど自分好みの作品が多かった年は本当に無いように思う。そんな2012だった。
 2013も楽しみだ。

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