映画が楽しかった2012(邦画編)
このエントリーは邦画を少し振り返ってみたい。
「桐島、部活やめるってよ」インプレッション
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/09/post-f2b9.html>
「ポテチ」インプレッション
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/05/post-87f5.html>
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/07/post-15ba.html>
「のぼうの城」
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/11/post-3939.html>
特に「桐島」は当初の想像以上によく出来た映画だと思った。
題材はなんてことの無い多くの人が翻弄される話で、それが人間の行動原理みたいな物をよく表している。桐島の去就に右往左往する少年少女が自分たちの知り得る事情の中で動いていく様が良い。
それを羅生門形式の演出で、観る側にも徐々に情報が与えられていくので同情しやすいというか、シンクロしやすいというか、非常にわかりやすく伝わってくる。
同時に劇中で皮肉られている「青春群像劇」をこの映画がこの完成度で表していることにも非常に感銘を受けた。こういう点でも監督やスタッフの意気込みもよく分かる。
インプレッションでも述べたけれど、個人的には監督が「クヒオ大佐」の監督である前科があって、見に行くのを渋っていたのだが、観て本当に良かった。あの年代にしか感じ得ない特権的な感傷かもしれないし、自分にとっては郷愁を感じるものだけど、とてもうらやましくって、仕方なかった。
メタ的な内容と言えば「鍵泥棒のメソッド」も良かったなぁ。思いっきりミスリードされた自分たちが最後にしてやられる感じもたまらない。
「鍵泥棒のメソッド」インプレッション
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/09/post-0b57.html>
シリーズ物の中では「麒麟の翼」が良かった。冒頭にドラマチックな原作とは違うシーンを挿入しているのだが、これが映画のテーマを簡潔に表していて、ラスト付近でその構造が分かってくると相乗効果で気分が盛り上がる見事な演出だと思う。映画化の意味有りだ。
泣かせる演出(原作がそういう話なので仕方ない)が全て良いとは言わないが、計算通りに感情を誘導すると言うことはとても難しいと思う。
深い悲しみから立ち直っていく希望が見える話だった。
それから異端だけど「ひみつのアッコちゃん」も侮れない映画。もしチャンスがあったら観て欲しい。特に原作を熟知している人とか映画ファンを自称するような人がこれをどう評価するかはとても興味深い。
「映画 ひみつのアッコちゃん」インプレッション
<http://ja-bow.txt-nifty.com/netvalley/2012/10/post-968f.html>
それ以外にも邦画ではシリーズ物やアニメで面白く素晴らしい作品が多かった。お金と時間があったらもっと観たかった。この幸せが来年以降も続いて欲しい。
切に希望する。
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