芸術は良く解らない(1)
そもそも芸術が何かといわれたら答えに窮する。楽しみ方に至ってはもっとそうだ。
だけど、そもそも「楽しみ」ということだけから考えたらそんな小難しいことや小賢しいことは考えなくて良いだろうと思っている。
印象で申し訳ないのだけど、絵なら、まず色だなと思う。遠くから見てそれに興味を引かれるのは多分、色(の組み合わせ)。シンプルな信号が人間を刺激する。近づいてフォルム、ディテールやマチエールのような物を感じて深みが増したり、逆にこんな物かと思ったりと言うことだろうと思う。
近づきたくなる。確かめたくなる。そういう好奇心が生まれないと芸術には成らないんじゃないかと思う。そうであってくれないと抽象画のようなジャンルが成り立た無いだろうとも思っている。
芸術系の大学でどう教えてるかは全く知らないんだけど、簡単な記号から複雑な物へというのは他の事にも当てはまるように思う。どの五感に訴えるのかで手段が違うだけなんだろう。
突き詰めて芸術を研究したり、実際に芸術家としてやっていくのでなければ、そういうレベルで見たり聞いたりさわったりだけで良いのだと思う。
となると結局、芸術品は良い悪いでなく好き嫌いで見るのが本道なのかも知れない。
良い悪いに乗せようとするとそこに齟齬が出てしまう。何かの基準がないと良い悪いは言えないからだ。ところが、芸術の価値基準はどんどん移ろいゆく、普遍性のある基準など多分無い。
技巧や精度については数値化でき、普遍化出来たりするだろうが、それがイコール芸術の価値には成らないと思うからだ。
見つけたらノーベル賞ものだ。ノーベル芸術学賞はないと思うけど。
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