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2013.03.18

「クラウドアトラス」インプレッション

 ウォシャウスキー姉弟監督と物語の構造に興味を持ったので見に行った。

 前回の「スピードレーサー」はオリジナルへのリスペクト満載である意味完璧な実写化の傑作なのだが、評判が悪かった。今作も姉弟らしくテクニカルな映像と物語なのは間違いない。

 役者はそれに応えていて、見事に演じているし、特殊効果もアナログ、デジタル双方すごい。年代毎と言うよりは複数の話を階層を行き来しながら観ていると、テーマが見えてくると言うのは気持ちの良いものなのだが、もうじっくりと見せる主軸になる話があると強くテーマが打ち出せたのではと思う。
 原作がそうなのだろう。多くの話を盛り込みすぎじゃないかと思うほどに盛り込んだ。

 実際は、昨年の後半あたりから増えている支配される側とする側(奴隷制度だったりクローンの管理制度だったり、単純に力の強い弱いだったり、石油利権だったりするのだけど)テーマの映画なのだけど、訴えかけが弱い様に思った。

 未来の描き方が使い古された感じだったからかも知れない。倒錯した韓国表現はわざとなんだろうけど、この辺はどう受け止められてるのかな?韓国未来編の主役は「空気人形」に出ていたペ・ドゥナ。堂々と主役陣の中で演技していて(最後のあれはどうかと思ったが)良かった。彼女は日本人受けすると思うけどどうなんだろう?

 そういえばタイトルバックで世界地図(アトラス)が描かれるのだけど、それが日本人が良く目にする左っ側にヨーロッパとアフリカ大陸、右っ側に南北アメリカ大陸という物だったのは、意味無くそうするわけがないと思う。

 そこの所は彼らの考えが聞きたいところだ。

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