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2013.10.01

「地獄でなぜわるい」インプレッション

 ブラッディでゴアシーン満載のバカ映画(ほめ言葉)だ。そういうのが苦手な人には全くお勧めできない映画だ。けど自分にはなんかピンと来る物があって見に行った。

 単純にヒロインが血の海を滑走するシーンが、「狂ってるなぁ」と突き抜けたものを感じがしたからだ。
 この手の物は一定以上のニーズが常にあると思う。けど、たいていはマイナーな企画なのだ。ところが今作はメジャーな役者に監督を備えてこの企画が通ってしまったので本当に驚いた。

 今年公開された映画だと「変態仮面」の企画が通ったのと同じくらいに驚いた。

 そして観たら本当に冒頭から血まみれのネタだった。

 だから、キャラクター達も最初っからかなり振りきった設定と演技で、おかしくてしょうがない。基本はヤクザの抗争物ベース、そこに無理矢理、映画を作る話をはめ込んで、それが映画内映画製作のメタ構造の芝居がかったラストバトルにつながって行く。

 この辺にまで成ると、感覚が麻痺してて、もうちょっとやそっとではという状況に入っていて、詳細書くのをはばかるようなシーンでも爆笑した。ドギツい表現と行動のギャップが笑いにつながる。そして少し切なさもあった。

 もしかしたら監督が社会派なメタファーを忍ばせているのかも知れない。けど単純に構造を楽しみ、あり得ないやりとりに笑って過ごすのがこの映画の素直な楽しみ方じゃないかなぁと思った。ラストの「カット!」もそれで笑うって言う魂胆だけじゃないかなぁ。深読みしたくなるけど。

 「キル・ビル パート1」や井口昇監督の一連の特にグロ系作品が楽しめる人の感想を聞いてみたい。

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