芸術は良く解らない(2)
またも印象論だけど同じ行為や出来上がりでも、これは芸術、これは違うと言い出す人も居そうだ。
でも、それはここではどうでも良い。
岡本太郎生誕百年を記念してイベントやドラマなどがやられているのだが渋谷PARCOで開催中の「顔は宇宙だ」を見てきた。
触るのはダメだが、写真OKなので大量に撮ってるのだけどそれでは行く楽しみが減るかも知れないので中の展示はちょっとしか載せない。前回はカメラがケータイのしかなかったので出直したのだけど。
内容を伝えるのではなく、感想なのであらかじめ断っておく。
ある日横浜に用事があって、駅の中でふと目をやると神奈川近代文学館「小泉八雲展」の広告を見てしまった。
私はそんなに真っ当なお化け好きではないが、なぜか八雲の「怪談」は文庫と新書で3冊持っている。1冊目は高校の時に柳田国男の「妖怪談義」と一緒に買った。2冊目は大学の時に英語の授業でオリジナルの「怪談」の邦訳(確か「狢」と「雪女」を訳したと思う)があったので、訳の確認用として買った。そして社会人になって同人作業の際にまたあることを確認したくなって買ったのだ。
自分は短編ではあるが、3冊も持っている本なんて他にない。しかもすべて違う物だった。通常用観賞用保存用なんて物でもない。残念ながらすべてを手元に持っていないので、確認は出来るが読んだ印象がかなり違うので、訳者も違うのだろう。
そこで帰って調べると企画は恐れ入るほどに見事な企画で、イベントも非常に興味深い物ばかりだった。
お化けの好事家の人は絵解き好きな人も多いと思う。単に伝承だけではなくて絵の中にキーワードをや風刺を閉じこめたお化けの絵は多いし、そのものがキャラクターとして情報の固まりだったりする。
一方、絵だけには限らないがどんどん孫引きされるに当たって現代のようにコピー機がある訳ではないので情報劣化というか、逆に足されたりもして変質していった過程を見ることで色々楽しいこともある。
その辺がお化け好きには溜まらなかったりする。
そんなおり、「百鬼夜行絵巻」の展示が2箇所で行われると知って是非みたいと思った。
わざわざ足を運んだのには訳がある。映画が面白く、小説がツボにはまったのもそうだ。それから芦名星や秋山奈々を生で見られるという邪な欲求というかミーハーな気持ちが有ったのも告白しておく(笑)
とにかく至近距離で見た彼女たちは映像や画像で見る彼女たちの10倍増しぐらいで可愛かった。脇役が普通の美人クラス、イケメンクラスでも主人公が男も女もそれにも増して美人、可愛い、カッコイイの記号を体現できている。そこがまた凄いと思った。
で、色々予想外な改定もあって、だけれども、ちゃんと「鴨川ホルモー」だった、面白さがキモなんだけど。
確かに映画みたいな、のめり込み感はないけれど、「その場でことが起こる事」の面白さと演技以外の基本的部分でも「プロの役者って本当にすごいや」と思った。
ひとつは「渋澤龍彦回顧展」、もうひとつは「井上雄彦 最後のマンガ展」だ。
知り合いにそういうと、たぶん「この二人がお前とどう結びつくのか」という話になりそう。
張り子作家の荒川良の作品と言うより、京極夏彦の文庫の表紙の妖怪張り子が生で見られるというので早速行ってみた。
八王子駅前の全然そんな感じがしない九州ラーメン桜島って店のラーメンをすすってから八王子夢美術館へ。(噂の八王子ラーメンの店を探せば良かった。)ちなみにこの美術館はビルの2階に有って、正直言って小さなギャラリーと言う感じだ。JR八王子駅から斜めに走る歩道を抜ければ、非常に近いので(信号機次第だが10分前後)歩いて行っても良いと思う。けど、この時期暑いし、方向音痴の人は案内にあるバスなど使った方が良いかも。タクシーはメッチャくちゃ嫌がられるよ。短すぎて(^^;きっと。
展示作品は点数が多く個人的には大満足。いわゆるこれらの絵の原点となるダーティペアのポスター絵かな?オレンジバックのヤツとかガンダムのLPのジャケットアートとか堪能してきました。
分かっちゃ居るけど、うまいねぇ。
こんな物をやっていたとは知らなんだ。
安彦良和原画展
URL= http://www.add-system.co.jp/yasuhiko/top.html
八王子市夢美術館
URL= http://www.yumebi.com/exb.html
影響を受けるようなことはなかったのだが、こういうスッキリ上手い人の絵は是非原画で見られるのなら見てみたいもの。でも一番近くても八王子(^^;遠いよ。
見に行きたいモノはいっぱいあるけど時間もなぁ。
見に行けたらインプレッションは上げとこう。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
早野 龍五・糸井 重里/著: 知ろうとすること。 (新潮文庫)
淡々と行われた早野さんの行動を糸井重里との会談で表していく。その過程が胸を打つ。強い意志で本当に素晴らしい仕事をされた。その過程を知るのに最適な書だ。残念ながら何かの秘密が解き明かされるわけでは無いのでそういう方はもう少し別な本を探された方が良い。 (★★★★★)
山岸 きくみ/著: 誰にもあげない (幻冬舎文庫)
三池崇史監督作「喰女~クイメ~」の脚本家によるノベライズ。映画よりもミステリー小説的な書き方になっていて、楽しむ視点が変化している。情報補完をかねて映画を見てからの方が楽しめるのでは? (★★★)
原田 実/著: 江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
と学会の歴史担当?原田実の「江戸しぐさ」検証本。偽科学ではないが、教育の場にまで忍び込び、恣意的で危険な思想なりかねないオカルティックな偽史の発生と発展をひもといて、まさしく正体を突き止めようとしている。問題はこのことが現在進行形で時の政府と結びついてしまったこと。情報を共有し目を光らせなくてはいけない。 (★★★★★)
松田 卓也/著: 間違いだらけの物理学 (学研科学選書)
疑似科学批判者として著名な松田氏の最新作。ただし、今回は物理側も間違うことがあるという例を自分の体験を踏まえて紹介していて、しかもその中身が今も間違ったまま流布されている物があるところが味噌。
批判眼と科学者としての矜持が垣間見え面白い。
個人的には揚力の話が一番面白かった。 (★★★★★)
ヤマザキマリ: プリニウス (1) (バンチコミックス45プレミアム)
こういう話は好きで、語られる蘊蓄が今の視点では浅はかに見えても、その当時どうだったのかはまた別の話。こういう貪欲な知への欲求があったればこそ、現在に至るわけで、そしてそれはこれからも変わらず進み行く物だと思う。 (★★★★)
ハシモト: ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (コミックジーン)
「となりの関くん」見たいな、他人観察型の視点の漫画。この手の話だと長く続けられないよなぁと思いながら読んでるとネットで見たようなネタが。どっちかがオリジナルんだろうけど、1巻は珍しく紙の方で買った。 (★★★)
桜井画門: 亜人(4)
(★★★★)
最近のコメント